みなさんは、うどんのお店というとどのようなイメージを持つでしょうか?老若男女、手軽に食べられるものとしてフードコートには必ずといっていいほどうどんのお店は入っていますよね。しかし、今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが紹介するお店は定番ではない「あんかけうどん」を専門にし、しかも深夜帯営業で大成功しているお店です。マーケティングの基本をしっかりおさえたそのお店の繫盛の理由に迫ります。
つゆを飲み干さずにはいられない!“あんかけうどん専門店”の魅力とは?
神戸三宮。飲み屋街の一角に、あんかけうどん専門店があります。
お客さまの9割が頼む「カレーあんかけうどん」をはじめ、「肉あんかけ」「梅わかめあんかけ」「八宝あんかけ」「とじあんかけ」「きざみあんかけ」など、メニューのほとんどが“あんかけ”となっています。
あんかけ以外は、「きつね」「かす」「ぼっかけ」「ぶっかけ」「やまかけ」のみ。
うどん屋さんと言えば、きつね、天ぷら、玉子とじ、昆布などが定番ですし、それを望む人が多くいます。
なのに、あんかけうどんがメイン。
どうして、あんかけうどんに力を入れているのでしょうか。
それは、店主の実家が旅館を営んでいた頃の名残りなのです。
旅館で提供していた、店主の母親が作るあんかけうどんが、美味しいと評判だったので、店主の代となった時、あんかけうどん専門のうどん屋さんとして、新たなスタートを切ったのです。
旅館を継続するのは難しいと判断し、母の味で勝負することにしたのです。
うどんメニューの中では地味とも言える“あんかけ”を専門に営業するのは、勇気のいることだと思います。
そこを敢えて挑戦することで、他店との差別化に成功しているとも言えます。
しかも、このお店は夜8時~朝3時までの深夜営業。
場所柄、飲み屋帰りの人が多いことを見込み、この時間帯となったのです。
深夜のみの営業で、しかも、あんかけうどん。
この珍しいスタイルは、店主の閃きかもしれませんが、マーケティングの基本「AIDMAの法則」に合致した店づくりとなっています。
A:Attention(注意)
I:Interest(興味)
D:Desire(欲求)
M:Memory(記憶)
A:Action(行動)
飲み屋街での深夜営業で「注意」を引き、あんかけうどん専門ということで「興味」を持たせ、飲み屋帰りのシメとして食べたい「欲求」を生み、カレーあんかけの味と香りで「記憶」に刻み、飲んだ後はこのお店という、お決まりの「行動」を起こさせています。
意識することなく、マーケティングの基本を実践しているのです。
だから成功したとも言えるのです。
いまでは、「シメのカレーあんかけうどんと言えばこのお店」が定着し、深夜であっても行列ができるほどの大人気となっています。
それだけではありません。
仕込みに5時間。うどんは40年以上使い続ける機械で自家製麺。睡眠時間は2、3時間。
こうした店主の一途な想いが、マーケティングの法則にプラスされたからこそ、繁盛店となったのです。
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