面白い、心が動く、感動するコンセプトの例
面白い、心が動く、感動するコンセプトとして外食産業で最近色々話題の、「スープストックトーキョー」のロゴデザインのコンセプトを、例にお話しします。
「スープストックトーキョーのロゴマークが、白と黒しか使われていないのは何故?外食産業のロゴって暖色使ってるのが普通だし不思議だよね?」
なんて言われて
「日替わり(週替わり?)のスープ自体が色とりどりだし、マーク自体は無彩色の方がスープもマークも映えると言うコンセプトで敢えて暖色とか使わなかったんだ。
モノクロのロゴデザインに合わせて、店舗デザインもアルミと木で出来てて何だかモダンだよね?」
あれも通常のファーストフードでなくて、大人の女性が一人でも来れる場を提供したかったからで、ロゴマークを白と黒だけで仕上げたのは、ブランディングにも関わるすごく大切な事なんだ。
なんて伝えたら、結構聞いた人は、驚いてくれる、と言うか、場合によっては「感動」してくれると思うんです。(本当のコンセプトも大筋、こういう事だと思います。ご興味ある方は、創業者の遠山さんの『スープで、いきます』等ご覧ください)
僕などはこのコンセプト(白黒ロゴの理由)を聞いて正直、結構感動しました。何故なら、外食産業のロゴは暖色中心、なんて10年前はデザイン本にも書いてあったような定石であり基本でもあった訳ですが、スープストックのロゴデザインを作った方、GOを出した遠山さんは、そこを覆して新しいトレンドを作ったようなものですからね(事実、それ以降、外食産業で白と黒のロゴマークデザインは明らかに増えたと思います)。
まとめますとコンセプトにはこんな風に「心が動く何か」や、「感動」があった方が良いです。
なので、デザイナーはデザインの狙い・コンセプトを考える時「これって面白いかな?」と言う視点は大事ですし、コンセプトを言葉にした時にそこに少しでも驚きがあった方が良いと心得て頂きたいです。
その意味で言えば、さっき僕が、仮の例としてあげた、行動を大事だと書いていいる「Life Change!」と言うビジネス本のタイトル色が、赤やピンク色にしたのは、行動を促す色が一般的に「赤」と言われているから…云々のコンセプトは、例として出会っても「我ながら」凄くつまらないです(笑)。
ここから、何度も自分とブレインストームを繰り返して興味深い、聞いた人の心を動かすコンセプトにしていかなければなりません。
幾つもの視点からアイディアを出さないとだめかも知れません。
そんな事をデザインする前に、頭をフル回転させてごちゃごちゃ考えているのがデザイナーなんですね。
そのコンセプトを聞いた誰かが「ああ、なるほど!」と納得してくれる、腹落ちしてくれる、そして感動もあるようなデザインのコンセプトを、自分が作り出すデザインにでも言い表せるようになれば、あなたの作るデザインのクオリティは必ず上がります。
※勿論、そのコンセプトに負けないビジュアルを作り上げる表現力は絶対的に必要ですが…今回はとりあえず追いません!