話を戻しますが、昭和61年4月1日からの新年金制度に移行した時に変わった事がありました。
それは妻の年齢が65歳になったら夫の厚生年金に付けた加給年金を消滅させるというものでした。
どうして妻が65歳になったら夫の加給年金(令和6年度は年額408,100円)を消滅させるのでしょうか。
新年金制度はどんな人であれ20歳から60歳までは国民年金の被保険者として、65歳になったら国民年金から個人名義の老齢基礎年金(20歳から60歳までの40年完璧に保険料納めた人の令和6年度満額は816,000円。令和5年度に68歳以上だった人は813,700円)が受給できるようになりました。
昭和61年3月31日までの旧年金時代はサラリーマンや公務員の専業主婦等は国民年金に強制加入させていなかったのですが、そのような人も将来は65歳になったら自分の年金を貰うために昭和61年4月1日からは強制加入としたのです。
もうね、65歳になったら自分の年金として老齢基礎年金を貰いましょうねという事ですね。
旧時代は夫が年金の全てを握っていたので、そうすると妻はお金を自由に使えない危険もありますよね。特に離婚したら妻は何も年金貰えません。
そういう危険性を防ぐ意味でも、昭和61年4月1日以降は国民年金に強制加入にしたわけです。
そうすると妻は65歳になると自分名義で少なくとも老齢基礎年金は受給できるようになるわけです。
であれば妻の生活費分としての加給年金を夫に支払い続ける必要はないですよね。
妻は老齢基礎年金が受給できるようになるし。
そのような理由で妻が65歳になると夫に付いていた配偶者加給年金が消滅するわけです。
配偶者加給年金は年額40万円ほどの大きな額なので、急に無くなるとビックリして「何事か!!」とお怒りになるケースもあります。
まあでもこのような仕組みであり、約40万円も消えてしまうのは痛いですが、同時に妻自身が年金を貰うので世帯収入で見ると増加してるケースが多いです。
老齢基礎年金は満額であれば約80万円で、加給年金は約40万円だからですね。
しかし、過去にあまり年金保険料を支払って来なかったという人は老齢基礎年金が低くなって、加給年金よりも少ない場合もあります。そうすると加給年金貰ってた頃の方が世帯収入が多かったりですね。
あくまで年金は過去の年金保険料支払い期間や額で人それぞれですので…
というわけで、最後に典型的な加給年金受給についての事例を見てみましょう。