共済年金と厚生年金期間のある人が死亡した後、遺族年金はどうなるのか?

 

全体の期間は291ヶ月なので全体としては25年ないのであれば、死亡日までの年金保険料納付状況で請求する権利があるかどうかを判断します(保険料納付要件という)。

死亡日の前々月までに被保険者期間があって、その期間の3分の1を超える未納がなければ大丈夫です。

全体は昭和62年8月から死亡日の前々月である令和6年2月までの439ヶ月の中で判断します。

なお、カラ期間は被保険者期間ではないので439ヶ月から32ヶ月間を省きますと、407ヶ月になります。

この中に未納期間が150ヶ月あるので、未納率は150ヶ月÷407ヶ月=36.85%>33.33%(3分の1)を超えているので満たしていません。

では遺族は請求不可なのかというと、死亡日の前々月までの1年間に未納がなければそれでもいいので(直1要件という)、そうすると満たします。

よって保険料納付要件はクリア。

死亡時点での遺族は配偶者と子になり、両者とも生計を維持されていたとします(死亡時に同居していて、配偶者の収入は850万円未満とします)。
85歳の母は第2順位者なので、配偶者と子が受給権者となる時点で母の権利は消滅。

ただし、「子」は18歳年度末未満の子もしくは、障害等級2級以上の子の場合は20歳までなので、障害の無い20歳の子は対象外。
よって「子」は3人となります。

なお、配偶者と子は同じ第1順位者として扱われますが、配偶者が国民年金からの遺族基礎年金を受給する場合は配偶者が優先して受給。

以下の年金は全て配偶者である妻が受給します。

・死亡日が民間の厚年期間中なので共済期間を含めて日本年金機構が全て支払う遺族厚生年金→(共済期間28万円×7.125÷1000×96ヶ月+厚年期間55万円×5.481÷1000×163ヶ月)÷(96ヶ月+163ヶ月)×300ヶ月(最低保障月数)÷4×3=(191,520円+491,372円)÷259ヶ月×300ヶ月÷4×3=593,245.9458…円≒593,246円(1円未満四捨五入)

・遺族基礎年金→816,000円(令和6年度定額)+子の加算234,800円×2人+78,300円(3人目以降。令和6年度価額)=1,363,900円

・遺族年金生活者支援給付金→月5,310円(年額63,720円)

給付金は前年所得が4,721,000円未満で、遺族基礎年金を受給できる場合に限る。

そうすると遺族年金総額は遺族厚生年金593,246円+遺族基礎年金1,363,900円+遺族年金生活者支援給付金63,720円=2,020,866円(月額168,405円)

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