親ロシアだったイラン大統領が墜落死も「路線」に変化なし。露を事実上の“属国”にした「中国」はどう動くか?

Moscow,,Russia,-,March,23:,Chinese,President,Xi,Jinping,Attends
 

ウクライナやガザは言うに及ばず、世界の各地で絶えない軍事衝突やくすぶり続ける紛争の火種。その背後に控えているのが米中2国であることも、また言わずもがなの事実です。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、米中覇権戦争の只中にあってアメリカ国民は中国に対してどのような感情を抱いているかに注目。そこから見えてくる米国民の「正しい理解力」を評価しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:アメリカ国民は中国のことをどう見ているのか?

民主主義は生き残れるのか。中国という「黒化勢力」のラスボス

全世界のRPE読者の皆様、こんにちは!北野です。

現在世界では、「ウクライナ―ロシア戦争」「イスラエル―ハマス、イラン戦争」が起こっています。

しかし、ハマスの黒幕はイランであり、イランと事実上の同盟関係にあるのがロシアです(5月20日、イランのライシ大統領が乗っていたヘリが墜落し亡くなりました。6月28日に大統領選挙が実施されます。しかし、イランの「反米、反イスラエル」「親ロシア」路線に変化はないでしょう)。

そしてウクライナ戦争を利用して、ロシアを「事実上の属国」とすることに成功したのが中国です。さらに、国連安保理で拒否権を持つ常任理事国である中国とロシアは、北朝鮮を守っています。

こうして、中国、ロシア、北朝鮮、イランという枢軸が形成されているのです。これは、私が言う、いわゆる「黒化勢力」です(2022年に『黒化する世界─民主主義は生き残れるのか?』という本を出しています)。実際、「民主主義は生き残れるのか?」と心配な状況になってきました。

さて、この「黒化勢力」の枢軸の中でも、「中核的存在」「ラスボス」は、いうまでもなく、中国です。結局、2018年10月のペンス反中演説以降、世界で起こっている争いの本質は、米中覇権戦争なのです。

二正面作戦を恐れるアメリカは、資源のほとんどを対中国に集中させようとしました。ところが、2022年2月、ロシアがウクライナに侵攻してしまった。さらに、2023年10月、イスラエル―ハマス(黒幕イラン)戦争がはじまってしまった。それで、アメリカは、中国一国に集中することができなくなった。

それだけでなくアメリカは今、「ロシア―ウクライナ戦争」「イスラエル―イラン戦争」に加え、「台湾―中国戦争」「韓国―北朝鮮戦争」が勃発するのを恐れています。

アメリカは、「4正面作戦で勝つことはできない」という自覚があるので、欧州や日本に、「軍事費をどんどん上げろ!」と要求しているのです。要するに、「アメリカ一国で4正面作戦は無理だから、お前らも強くなって戦ってくれ!」と。

アメリカは、追い詰められています。

print
いま読まれてます

  • 親ロシアだったイラン大統領が墜落死も「路線」に変化なし。露を事実上の“属国”にした「中国」はどう動くか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け