NHKのヤラセと政治の圧力、BPO検証を新聞各紙はどう伝えたか?

 

【東京新聞】報道の自由を護るために

【東京】は1面で「NHKに自民圧力」の大見出し。「番組介入を批判」とも。リード部分は最後に「NHKと民放が放送界の第三者機関として設立したBPOが、政府・与党を批判するのは極めて異例」とする。リード部分の論点比重は、2対1で論点2にある。記事そのものは論点1のみ。

関連は29面。《毎日》とよく似た構成になっていて、ここは記者会見の情報をもとにした記事展開。最後にやはり解説がついていて、こちらは鈴木学記者の署名入り。タイトルは「「自由」維持へ危機感」。論点2を全面展開する。500字ほどのなかで、93年のテレビ朝日「椿発言」問題から説き起こし、BPOの設立、そしてこの間の政府・与党による威圧に及び、意見書が「メディアをコントロールしようという意図を公然と述べる議員が多数いることも、放送が経済的圧力に容易に屈すると思われていることも衝撃」という重要な部分を引用。今度の問題で政府や自民党のメディアコントロールが一段と強まることは絶対に許してはならないという強いBPOの決意が、異例の見解表明になった、と結んでいる。

uttiiの眼

論点2こそが重要なニュースなのだという姿勢だと思われる。論点1が仮に生じていなくても、この間の圧力的な発言、あるいは朝日新聞の従軍慰安婦記事問題なども含めて、メディアを廻る状況の基本的な問題は、論点2の形でずっと存在していることを痛感させてくれる。了。

image by: BPO

 

uttiiの電子版ウォッチ』2015/11/7号より一部抜粋

著者/内田誠(ジャーナリスト)
朝日、読売、毎日、東京の各紙朝刊(電子版)を比較し、一面を中心に隠されたラインを読み解きます。月曜日から金曜日までは可能な限り早く、土曜日は夜までにその週のまとめをお届け。これさえ読んでおけば「偏向報道」に惑わされずに済みます。
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