その差は2世代分。いよいよ深刻化してきたニッポンの国際競争力低下

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巷には「日本は凄い」「素晴らしい」という書籍やテレビ番組があふれていますが、シンガポール在住の前参議院議員・田村耕太郎さんはメルマガ「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」の中で、日本の深刻な「人材ガラパゴス化」に警鐘を鳴らしています。以下、日本を愛するあまりの苦言をどうぞ。

日本は全然凄くない

21世紀を担うリーダー候補生である幼児たちが受けている教育、彼らの親の経済力をみて、本当にヤバさを感じる。欧米人であの顔で中国語流ちょうに操る親も多い。日本は全然凄くない。日本人は自分の凄くなさを認識して頑張らないといけない。

シンガポールに来て、アメリカや欧州やアジアを行き来し、世界の本当のリーダーたちとつながり、本物の起業家やリーダーを見てきたが、発想や行動力が違う。こういう人を生み出すのに2世代はかかるという思いは深まる。日本にある金融も起業家もテクノロジーも、私はある意味日本一は世界一とまではいかなくても世界の上位に入ると思っていただけに、メディアと自分の目の節穴さに「裏切られた」に近い失望感を感じている。全然低レベルだ。日本一なんてほとんどの世界で、世界トップレベルとは程遠い。70億人の中で競われている人材と減少し劣化する日本の労働人口の中で競っている人材ではそもそもけた違いだ。

幼児のころから、世界全体を相手に発想する教育が、実感をともなうように世界から多様な子どもが集まった中で行われているこちらで、思うのは、幼児のころからout of box的発想を求められ、親にも教師にも先輩にもチャレンジする権利を当たり前に持って育てられた人材と、多くはいまだに世界を知らない教師の前でロボットのように育てられる子供たちでは話にならないと思う。こちらの外国人の子供は自国語、英語、中国語をもう使いこなし始めている。

今でも多くの日本人が気付いていないくらいの差ができているが、このままいけばもう追いつけないくらいの差がつくと思う。本当にやばいよ日本人。「日本はスゴイ」「日本人はスバばらしい」という番組だらけであること自体ヤバいと思った方がいいよ。こんなこと言っている国はないよ。

日本の素晴らしい旅館もレストランもブラック企業並みに従業員を長時間低賃金で低生産性のまま頑張らせている(自発的に頑張っている)だけに過ぎない。サステイナブルじゃないし、サービス受ける外人はハッピーになっても、サービスする方は幸せじゃないし、これからもっと幸せではなくなるよ。

日本は現場レベルの人材の質が高くそれに支えられているというのはその通りだが、その人たちは本当に不幸だと思う。これからさらに低賃金で高物価で高負担でさらに苦しむのが目に見えるのにそれでも同じように頑張るかな? 現場に頑張らせるより、トップが賢く高い生産性で組織を動かす方が全員が幸せになれるよ。

>>次ページ 日本で勝てても世界で勝負にならないわけとは?

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