日本の借金は900兆円、という「大ウソ」を作り出した3つのトリック

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消費税増税に関するニュースが連日報道されていますが、どのマスコミも「日本は借金大国であり、このままでは経済が破綻してしまう」という前提で話を進めています。しかし、メルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』で武田教授は、「日本の巨額赤字は大ウソ」と断言。その話が作られたキッカケはNHKによる故意の誤報であり、それに追従したマスコミによって作られた幻想だとして、その責任を指摘しています。

「日本は巨額の赤字を抱えている」は大ウソ。誤解が生まれた3つのトリック

NHKが大誤報をした後、「どんなに事実が違っても、皆が言うことを報道する」というテレビ・新聞の誤報の結果、日本では「日本国は巨大な赤字を背負っている。このままにしておいたら子供たちに大きなツケを回すことになる。消費税を最終的には20%近くまであげなければならない」という大きな幻想が生まれました。この話は3つのトリックから構成されています。

第一のトリックは、「日本国は巨大な赤字を背負っている」というウソです。「日本国」という場合は「国」ですから、外国との間の貸し借りのことを言いますが、日本は世界でもっとも大きな「黒字国」で、その黒字幅は300兆円にもなります。従って「赤字」ではなく「黒字」の間違いですが、これは「政府の赤字国の赤字とNHKが故意に間違って表現したことから起こったものです。

第二のトリックは、「日本政府の赤字」と言い換えてもNHKが報道した「全体で約900兆円。国民一人あたり約800万円の赤字」ではなく、「借金だけを計算すると900兆円ほどになるが、750兆円ほどの資産があるので、差し引き150兆円程度の赤字というのが正しいのです。NHKが計算した数字の中には日銀が持っている270兆円ほどの国債(すぐ換金できる)も入っていないのですから、話になりません。この計算は最近、経済評論家や週刊誌などでも取り上げられるようになりました。

第三のトリックは「消費税を上げると税収が減る」ということです。消費税はバブルの最後のころ、つまり1989年に初めて導入されて0%が3%になりました。当時の消費金額からいって国の税収は4兆円ほど増える予定でしたが、毎年の税収傾向は変わらず、かえって消費税が消費を抑制して2年後にはあのバブル崩壊をもたらして日本経済はどん底に落ちます。

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