先日、NHKの報道番組「クローズアップ現代+」で放送された「どうするマンショントラブル!? 『新ルール』で住民激震!?」の内容に、無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者・廣田信子さんが怒りの声をあげています。内容は、法改正で一定の条件を満たせば所有者の2/3以上の賛成で団地の建替えが検討できるようになったというものなのですが…、廣田さんはこの番組のどこに憤りを感じているのでしょうか。
マスコミ報道の誤解を解くのはたいへん
こんにちは! 廣田信子です。
「クローズアップ現代+」で、新ルールとして挙げたものの一つが、一定の条件を満たせば、所有者の3分の2以上の賛成で団地の建替えができるよう法律が改正されたというもの。「一定の条件」とは一応言っていますが、それがどんなに厳しいものかというニュアンスは伝わらず、聞く方は、「2/3の賛成で建替えができる」というところしか、耳に残りません。
● 老朽マンション建て替え「規制緩和」報道が与えた大きな誤解
で書いた通り、この法改正の対象となるような団地は、ターミナル駅の近くにある等、高度利用することが都市機能の更新に不可欠と思われるようなもので、ごくごく少数です。それさえも、市街地再開発事業の都市計画決定まで漕ぎ着けるのは並大抵のことではありません。番組では、それが伝わっていませんでした。安易に、また建替え幻想が復活し、ようやく建替えでなく再生をしていこうと思い始めた高経年団地をまた惑わすことになります。実際にそういうところが出ているのです。
放送後、マンション管理センターには、この放送内容に不安になった方から質問がよせられて、本当に迷惑していますよ!
2/3と決議要件が下がっても、様々な状況の人がいる中で、合意形成がたいへんであるというところだけは、番組の中でも取り上げられていましたが、何が伝えたかったんでしょうね。
何と言っても、「マンショントラブル!?『新ルール』で住民激震!?」がタイトルですから、法改正で住民が揺れてトラブル発生!!! と言いたかっただけ??? 無用なトラブルにならないように法改正の実効性を正確に伝えることをしないで??? 放送そのものが、トラブルの種撒いているんですけど!