家賃を倍払え。NY人気レストラン突然閉店の裏に複雑な不動産事情

 

やっぱり世界の中心、ニューヨークなので、結局、場所さえ良ければ、どこかのテナントが入る。 世界から、その国その国の有名店が、「NY店を出店したくて空きを待っている状態です。

なので、既存の今入ってるテナントをなんとかして、キープしたい、という気持ちがない。 空き店舗に関してだけ言えば、この街は完全に「売り手市場」です。

なので、リース契約が切れた状態で、次の契約は倍を要求する。

その契約を飲んでくれたら、ラッキー。 出て行ってもらっても、元の額に戻して、次のテナントと契約する。 損はありません。 運が良ければ倍良くなくても今まで通りの家賃は入ってくるー。

なので、日本から進出してくる飲食店のオーナーさんには、最初の提示額が納得きる額なら少しでも長い契約期間の方がいいですよ、とアドバイスしています。

契約期間が切れて、更新時の額は、間違いなく、今回の提示額ではないですよ、と言います。

それでも、日本で成功されて、日本式のビジネスに慣れきってしまっている方は、「やっぱり最初は少しずつ」と言いながら、1年契約や、2年契約で結びたがります。 「そんな、いきなり、(更新時に)さすがに倍はふっかけてこないでしょ」と。

そのあたりは、いくら日本の方に説明しても理解してもらえません。

中には、「膝と膝を付き合わせて、目を見て、心で語り合ったら理解しあえる!」と堅くなに熱弁する日本人オーナーもいらっしゃいました。

理解しあえません。 生まれ育った環境も、文化も、宗教も、なによりビジネスに対する根本的な考え方が違うのだから。 (なにより、語り合うほどの言語力もないのだから)

ユダヤ人オーナーにしてみれば、世界中からその国で成功した百戦錬磨のビジネスマンたちと日々、交渉しているわけです。 日本式が通じる通じないの前に、世界各国、そこの文化をすべて丸々、いちいち理解してる暇がない。

今回おまえんとこがダメでも、明日はスペインから来る「地中海料理」屋のオーナーが話したがってるし、明後日は中国から来る「四川料理」屋のオーナーとのアポが入ってる。 そんな日常です。

なので、ここは思いきって5年リース結びましょなんなら10年とれるならとりましょ。 そうアドバイスします。

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