大きなリスクも。社員の退職理由を会社都合にしない方がいいワケ

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会社を辞める人間の退職理由を、親切心から「会社都合」扱いにしたという話、耳にする機会がありますよね。どころがこの「温情」が企業にとってとんでもないデメリットとなりうる、と言うのは無料メルマガ『「黒い会社を白くする!」ゼッピン労務管理』の著者で現役社労士の小林一石さん。今回の記事では過去に実際に起きた事例を上げながら、その危険性について記してくださっています。

退職理由を「会社都合」にすると何が問題なのか

最近、(少しだけ)悔しい思いをした出来事がありました。それは、あるお店で買い物をしたときのことです。気に入った服があったのでその場で購入をしました。幸せな気分で家に帰り、何気なくそのお店をネットで検索するとなんと、ネット経由で購入すると「10%オフ」だったのです。さすがに、その服を返品してネット経由で買うわけにもいかずなんとも悔しい思いをしました。(別にこのお店が悪い訳ではありませんが)。

みなさんも、このように後から知って悔しい思いをしたということはないでしょうか。ただ、このように悔しい思いをするだけで済めば良いですが労務管理においてはそうはいかない場合があります。

その中の一つに「社員の退職理由をどうするか?」というのがあります。「失業給付が早く出るように退職理由を会社都合にしてあげたい」。これは、たまに私も相談をいただく内容です。

確かに、離職理由によって失業給付が出る時期が変わるためその気持ちもわからないでもありません。ただ、実際にそうすべきかどうかと言われれば、「それはしないほうが良いですよ」とお答えしています。

なぜか? それは、会社にとって大きなリスクになるからです。このリスクを知らないまま「会社都合」してしまうと後で大変なことになります。

まず、会社都合での退職者がいると助成金がもらえなくなります

※ 重責解雇は除きます(すべての助成金ではありませんが)。

これをお話しすると「今のところ助成金をもらう予定はないから」という人もいらっしゃいますが助成金は新規で出来たり内容が変わることも頻繁なのでいつ「もらいたい」助成金が出るかわかりません。そのときのためにももらえる状態にしておくことはとても大切なことでしょう。

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