先日掲載の記事「『挨拶されたら逃げろ』と教える親から透けて見えた『国の思惑』」でもお伝えしたとおり、「マンション内でのあいさつが禁止になった」という投書を巡り、「理解に苦しむ」という否定的な意見と、「子供を犯罪から守るためには仕方ない」との見方が真っ向からぶつかりあった「あいさつ禁止マンション論争」。無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者・廣田信子さんは、先日発生した「リンちゃん殺害事件」の容疑者が保護者会の会長だったという信じがたい事実を受け、子供を守るためのコミュニティのつくり方について自分自身何も言えない状況であるとした上で、こんな時だからこそ冷静になりたいと結んでいます。
「知っている人に気をつけて」と言わなければならない時代
こんにちは! 廣田信子です。
先週末に飛び込んできた、我孫子市のリンちゃん殺害事件の容疑者逮捕のニュースには、凍りつきました。なんと、逮捕されたのは、リンちゃんが通っていた小学校の保護者会会長だったのですから。
同年代の子供を持つ親に与えたショック、日ごろ、地域での子供の見守りに尽力している団体の方々に与えたショックは、もうメガ級だったでしょう。
あまりに衝撃的で、これをどう受け止めていいか、今後どう対処すればいいか、みんなが大きな戸惑いの中にいる状況だと思いますが、我が子を守らなければならない親としては、子供に、「知らない人」だけじゃなく、ご近所の「よく知っている人」にも気をつけて! と言わなければならない時代になったことだけは事実です。
昨年末の「あいさつ論争」がすぐ頭を過ぎりました。
● 「挨拶されたら逃げろ」と教える親から透けて見えた「国の思惑」
2016年11月4日付の神戸新聞夕刊に、管理組合の理事さんからの投書が載って、総会で小学生の子供を持つ親から、「知らない人にあいさつされたら逃げるように教えているので、マンション内ではあいさつをしないように決めてください。子供には、誰がマンションの人かわからないので、教育上困ります」と言われ、マンション内であいさつをしないようにしようと総会で決まったことを嘆くものです。