なぜプロテインの有名ブランドは「カフェ」でも成功したのか?

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これまでアスリートやスポーツを嗜む人にしか馴染みがなかったと言っても過言ではないプロテイン。そのプロテインを使ったメニューを展開するカフェが話題となっています。無料メルマガ『MBAが教える企業分析』で著者の青山烈士さんが、コンセプトに「世界一パワーの入るカフェ」を掲げる「DNSパワーカフェ」の戦略・戦術を分析してくださいました。

顧客層の拡大

「世界一パワーの入るカフェ」をコンセプトにした人気のカフェを展開している企業を分析します。

DNSパワーカフェ(カフェチェーン) 

「DNSパワーカフェ」は「アンダーアーマー」の正規日本ライセンシーである「株式会社ドーム」が展開しているカフェです。

戦略ショートストーリー

アスリートや健康志向な方をターゲットに「スポーツ栄養ノウハウ」や「DNSブランド」に支えらえた「最適な栄養を選択できる」「高栄養で美味しい」などの強みで差別化しています。

顧客が栄養素を確認しながら、自分の好みに合わせてカスタマイズできる高栄養価で美味しいメニューをリーズナブルに提供する事で顧客の支持を得ています。

■分析のポイント

顧客層の拡大

たんぱく質を豊富に摂取できるメニューを展開しているカフェと聞いてどう思いますか? 私は、体を鍛えている方向けのお店だと思いました。たんぱく質(プロテイン)を積極的に摂取する方は、アスリートくらいだろうと。そもそも「DNS」はプロテインなどのスポーツサプリメントブランドですから、アスリートでない方には、聞きなれないブランドですからね。

しかし、「DNSパワーカフェ」は、アスリートの方だけでなく、健康に関心のある忙しいビジネスパーソンの方も多く来店しているようです。

これは「DOME」の狙いの一つといえるでしょう。どういう意味かというと、「DOME」が展開している 「アンダーアーマー」や「DNS」はトップアスリートが利用していることからわかるように、アスリート向けのイメージが非常に強いです。「DNSパワーカフェ」は、アスリートからも支持を得ていますが、アスリートではない、健康志向の方の支持を得ています。つまり、「DOME」が意図的に、いままでリーチできていなかった顧客層との接点をつくることを仕掛け、実際に顧客層を広げることができたということです。

ここで重要なのが、「DNSパワーカフェ」はプロテインサプリメントの新しい使い方を示したということです。

もしも「DNSパワーカフェ」がプロテイン飲料のお店だとしたら、アスリート以外を集客することは難しかったでしょう。しかし実際は、Meal Replacement Shake (MRS)という形でフルーツ、フルーツジュースをベースにたんぱく質などを配合することで、一食分の栄養が摂れるシェイクを提供しています。

要するに、いままでは、プロテインは筋肉をつけるために食間に摂取するものというイメージでしたが、「DNSパワーカフェ」では、プロテインを配合したMRSは一食分の栄養素が摂れるもの(=食事代わりになるもの)で、健康的なイメージとなっています

このように新しい用途使い方を提供することができているからこそ、「DNSパワーカフェ」が忙しいビジネスパーソンなどから支持されているわけです。

今後、「DNSパワーカフェ」の成長を楽しみにしています。

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