問題を人のせいにしてしまうのは「なぜ?」の回数が少ないからだ

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もしもあなたが飲食店を経営しているとして、新人さんが大きな声を出していなかった時、それは元気のない新人さん本人だけのせいでしょうか? そして、店の経営者からすると、この程度の問題が生じた際にはどのようなリアクションを取るのがベストなのでしょうか? 今回の無料メルマガ『飲食店経営塾』では、著者で飲食店コンサルタントとして活躍中の中西敏弘さんが「なぜ?」を繰り返して「お店の問題」をあぶり出そう、と提案しています。いったい、どうすればいいのでしょうか?

「店の問題」と「個の問題」を分けで考えよう!

「今日は随分バタバタしてて、テーブルへのお伺い頻度も少ないし、活気もほとんどないね!」

「今日のメンバーでは最善を尽くしたんですけど…。新人さんとかが多くて仕方ないと思います」

「そうなん! でも、本当に新人さんが多いから今日みたいな営業になるのかな。あ?新人さんじゃなきゃ活気もでたってこと?

「そう思います」

「本当そうかなあ…? でも、今日の営業見てると、個人(新人)だからっていうより、『店の問題』のような気がするけどねえ…」

少しでも「お客様『不』満足」を減らし、「満足度」を高め、「喜んで」帰っていただく、ためにも、日々店の問題を抽出し改善していくことはとても大切な事。

ただ、この問題改善にあたって注意すべきことは、「店の問題」と「個(個人)の問題」を別にして考えないと、いつも同じ問題で悩むことになるでしょうし、質の高い営業(オペレーション)を行うことが難しくなります。

とかく、店のスタッフは「誰々の問題」と問題の要因を「個人」に向けたくなるもの。でも、本当に「個の問題」なのかどうかを吟味する必要があります。

例えば、冒頭の会話も「個の問題」にしてしまっていますが、実際の現場を見ると、ポジションごとの仕事が確立おらず、そのため、ただただスタッフがバタついているだけだったし、活気がないのも、入り口スタッフが大きな声で「いらっしゃいませ」と言えば、それに対して皆で声を揃えて「いらっしゃいませ」と言ったり、「ありがとうございます」という掛け声をだす、当たり前の「仕組み」になっていないことが、活気のない状態を作っている原因であり、決して「新人さんだから…」という「個の問題」ではないのです。

仮に、上記の問題、「活気がない」というのも、新人さんで「大きな声がでせない」というのであれば、そもそも新人さんはなかなか「声をだす」ことは苦手であり、だからこそ、入店時のOFF-JT教育にて「発声」の大切さや大きな声を少しでもだせるよう「発声訓練」を必ず行う「仕組み」になっていれば、今回のような状態を少しでも避けられらはずなのです。

ついつい人は、「誰かのセイ」にしがちで、その方が店長としては楽かもしれません。しかし、「人のセイ」にばかりしていては、いつまで経っても「店の問題」が解決することはありません。

そのためにも、自分たちが問題だと思ったら、できる限りの「掘り下げ」を行いましょう。つまり、「なんでだろう?」「なぜ?」と何度も何度も自分に問いかけたり、皆で「なんで?」と掘り下げる習慣をつけるといいでしょう。例えば、今回の活気がないといのも「なぜだろう?」と自分たちが考えられる原因を「できるだけたくさん」出せば、「人のセイ」にはならないはずです。

問題の原因を「人のセイ」にしてしまうのは、この「なぜ?」が少ないから。もしくは、問題を「人の問題と『決めつけて』しまっている」ことが原因なのです。なので、「他にも原因はないかなあ?」と、いつも「なぜ」「なぜ」とできるだけ考えられる原因をたくさん出す習慣をつけると、「人のセイ」にすることも少なくなってくるでしょう。

もちろん、「人の問題」が今の問題であることもありますが、「人のセイ」にしてしまうと、先述したとおり、いつまで経っても問題が解決することがありません。「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」と、自分や周りのスタッフに自分や周りが嫌になるぐらい問いかけるクセをつけましょう! そうすれば、問題がどんどん解決していきます。

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若手飲食店コンサルタントとして、人気急上昇中の飲食店経営コンサルタント、中西敏弘が「売れる」飲食店作りの秘訣を論理的に、そして分かりやすく解説します。

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【著者】 中西敏弘 【発行周期】 毎週2回

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