単純にモノを売ったり、サービスを提供するだけだったり、言われたことを無難にこなすだけでは、いつまでたっても職場での自分の存在価値を上げることはできません。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんが、今より一歩いや半歩深く、仕事や職場の中にある自分自身の存在価値、仕事の価値について考えることの大切さを説いています。
自分の仕事の価値
これまでに、
「何をしてくれるのですか?」
「どんなことをしてくれるのですか?」
といった問い合わせが幾度とありました。このような問い合わせに対しては、「なんでもかんでもやってくれる人のところにどうぞ行ってください」と対応してきました。コンサルタントというのは何かを「してあげる」というのことが仕事ではないからです。
クライアントの課題に一緒になって向き合い、表面的ではなくクライアント自身さえ分かっていない根本的な解決をするために考え、共に取り組む、そういう仕事だからです。そして、そこにこそコンサルタントの価値があるものなのです。少なくともそうあるべきだと、私は考えています。
- 何かをしてもらえる。
- ノウハウを教えてもらえる。
という考えで相談に来る人と、私の考えるコンサルタントという仕事の価値を理解して相談に来る人とは明らかに結果も違ってきます。というか、結果の出方が違うのです。パーンと花火が打ち上がって、パッと散っていくのと土壌から栄養を吸い取り、しっかりと実になり花が咲く、それくらい違います。後者の方が明らかにクライアントの利益になることが分かると思います。
さて、こうした仕事に対する価値というのはコンサルタントに限らず、当然ながらどの職種にもあることです。営業マン、販売員、サービスマンにとっても同じです。
どういうことかというと、たとえば、お客さんがAとBという商品、どちらにするのが賢い選択か? ということを悩んでいて相談されたとします。その悩みに対して、それぞれの価格や仕様、特徴やメリットを伝え、「どうしますか?」って、お応えすることは誰にでも出来ますし、そうした営業マンや販売員はどこにでもいます。
ですが、お客さんが、AかBかを選ぶのに悩んでいる、ということではなく、なぜお客さんがAやBという商品に必要性を感じているのか? そして、なぜその2つに絞り悩んでいるのか? お客さんのニーズを満たす最善策は、AやBではなく、もしかするとCなのかも知れないし、Dなのかも知れない。いや、それどころか当社以外の商品かも知れない。そういうところまで一緒になって考えアドバイスして差し上げる。もちろんその際には、その根拠となるものを伝える。
お客さんはそういうところにその営業マンや販売員に対する価値を感じるのです。「頼りになるわぁ~」と思われるのです。ですから、支持もされるし、リピートもされるのです。
また、社内でもいえることがあります。言われたとおりの仕事をこなす。これはどのような会社であっても必要最低限のことですが、これだけでは社内での自分の存在価値は上がりません。「言われたとおりの仕事をこなす」のは誰でも出来るからです。
もちろん言われたことをこなすのは大切ですが、それだけではなく、自分だからこそ出来ることをその見出し言われたこと以上のことをする。あるいはチャレンジする。そこに存在価値があるのです。
単純にモノを売ったり、サービスを提供するだけ、言われたことを無難にこなすだけ、それらをヨシとする。これでは決して必要とされる存在には成りえません。周りから支持されることもありません。
今より一歩、半歩深く、仕事や職場の中にある自分自身の存在価値や仕事の価値、というものについて考えてはいかがでしょう? 自ずとやるべきことが見えてきたり、発想や思考の幅が拡がってくるはずです。
今日のまとめ
『自分の仕事の価値を知る。』
- 仕事の中で自分が最も活きることとはどんなことか? 考え3つ以上列挙してみる。
- 列挙したものを社内外に周知、理解してもらうためには普段からどんな取り組みや工夫が必要か? 考えノートにまとめ、実践する。
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