でも、私の周りにはマンションの関係者が多いですから、一般の感覚とはちょっと違うかもと思い、いろいろ聞いてみると、まず、「マンションってなんか怖い~」と言う声が。マンション全体への信頼が揺らいだということは避けられないと思います。個人が気をつけようがない問題ですから。
で、「やっぱり買うなら、大手から買わないと怖いね~」という反応で、三井のマンションは危ないから買わないというような反応は意外にありませんでした。
その意味では、一見満額回答? のような早い解決策の提示は、現時点では、ブランドイメージに対して大きなマイナスに働いておらず、三井の戦略は成功していると感じます。
でも、これからが大変です。
傾いた棟以外にも不良が数多く発見されるのかどうか…、これからの調査如何では、棟によって温度差が出てくることは避けられません。
建替えるにしても最低3年間は、別のところに引っ越さなければなりません。子供の学校の問題もあります。2007年の入居時から今までにそれなりのコミュニティは育っているはずです。不良工事が軽微な棟では、建替えはしたくないという意見も当然出るでしょう。
しかし、建替えには団地の一括建替えでも、ある棟だけの建て替えでも4/5の区分所有者の賛成が必要になります。
じゃあ、あのように密着して建物が建っている状況で、例えば1棟だけ残すというような選択が可能なんでしょうか。解体工事中、新たな建築工事中、そこで平穏な暮らしができるのでしょうか。
買取価格にしても、買ったときの値段と、事件が発覚する直前の市場価格では差があるといいます。買った時より価格は上がっていたはずだという主張にどこまで応えるのか…。精神的な苦痛に対してどのように損害賠償するのか…。
すべてのことが決まるまで、役員はもちろん、住民にとってもそれはそれは大変な日々が続くと思います。