安心は傾かず?欠陥公開の裏で描かれた「三井のシナリオ」

151022_yokohama
 

前回、なぜ横浜の大型マンションで傾き問題が起きたのかを検証してくださったマンション管理士の廣田信子さん。今回のメルマガでは、今後住民の方の身に起こりうることや三井不動産への要望について記しています。

三井不動産レジデンシャルの対応は?住民の合意形成は?

こんにちは!廣田信子です。

「パークシティLaLa横浜」の杭打ちの施工不良に関する昨日の話の続きです。私の備忘録として読んで下さい。

問題が発覚しても、内密に済ませようという体質がある中、今回、このように大きく報道され、まるでシナリオができていたかのように、問題を起こしたのは、下請けの下請けの一監督者であるということが、早々と報じられ、そして、いち早く、三井不動産は、建替えにも買取りにも応じ、転居費用も負担するという方針を打ち出しています。

このことの意味を私なりに考えてみました。

この一連の行動は、ブランドイメージの低下を最低限に抑えようという売主の意向と、こうなってしまった以上、できるだけ多く実をとろうという管理組合の中心的な方々との戦略が一致したのではないかと、私は勝手に感じています。

この状況で隠し立てしてもマンションの資産価値を維持することは不可能。だったら、問題をしっかり世の中に知らしめて実を取ろうというのは、管理組合として当然の大変かしこい選択だと思います(これも私の勝手な推理です)。

そして、それにいち早く、ある意味、満額回答を出すことで、三井不動産もイメージダウンを最小限にすることができているような…。

私の周りの反応は、「一体いくらかかるんだろう。さすが『三井』だね」というものが多かったです。

マンションは、どんなに設計をしっかりしても、パンフレットにきれいごとをうたっても、施工が悪かったら、どうしようもありません。

そして、実際に施工不良は当たり前のように発生していることをみんなよく知っていますから。

で、どこが施工しようが施工不良が発生するのを避けられないから、結局、売り主にいざという時に対応できる力があるかどうかだと改めて、今回のことで思った訳です。

print
いま読まれてます

  • 安心は傾かず?欠陥公開の裏で描かれた「三井のシナリオ」
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け