メルマガで「マンガの描き方」を伝授?
編:MBさんのメルマガは、いつもQ&Aコーナーに質問がギッシリきていますけど、これだけ見ても中身が詰まっている感じですよね。
鈴:いや、すっごいな~。このメルマガ、実際5万字も書くのに1日ぐらいはかかりますか?
M:だいたい2日間ですかね。
鈴:え、2日間も!?
M:はい、丸2日あれば書き終えるくらいですねー。
鈴:なるほど~。でも、もうこれだけで食えるわけですから、そういう意味では2日間かかってもいいのか。残った時間がほかのことに使えますよね。
M:そうですね。あと、どんなに会員が増えても2日間という時間は変わりませんから。
鈴:あ、そうですよね! 逆に購読者が少ないほどつらくなるわけですよね。どこからラクになるラインなんですか? 1000人超えたあたり? 500人?
(一同爆笑)
M:気分的には500人くらいじゃないですか(爆笑)。
鈴:500人ですか、いい話聞いたな~!
M:はじめは、やっぱりツラかったです。軌道にのるまで。60人しか読んでないのに書くのはツライな〜と。
鈴:ですよね! 僕が最初に「有料メルマガはツライな~」って思うのは、読者10人でもすごい大変な思いして書いて、で500円じゃなぁって(笑)。
M:そうなんです、だからはじめはQ&Aどころか、きた質問は100%返します、というのをやっていたんですよ。そうしたら、初期からの読者がたくさん残ってくださってます。「昔は個別で返信してましたよね~」「MBさんが有名になっていくのが、すごく切ないです」みたいな感じの人が増えてきました。その苦労もムダじゃなかったかなーと、いまでは思うんですけど。はじめはつらいですね~。
鈴:僕がメルマガをやる価値について考えたとき、マンガ家が何について深く掘り下げて話せるかといえば、マンガなんですよね。僕自身が何を食べたとか、そういうのはあんまり価値がない(笑)。でも、「この本を読んでおもしろかった」というのは結構、引きがあったんですよ。もっとやってくれという声がありました。マンガ家がすすめるマンガというのは、ちょと価値があるのかなと。
編:「マンガ家の発想源」というか、そういうところが気になるんですよね。
鈴:あー、やっぱり発想ですかね。
M:僕はリターンが明確だとすごくいいなーと思っていて。たとえば、僕のメルマガとかコンテンツだと「読めばおしゃれになれる」っていうところだと思うんです。株のメルマガだったら「読めば金が儲かる」みたいな。読めばなにができる、とか、読めばどういうリターンがあるのか、というところが明確だとすごく動きやすいのかなと思いますね。たとえば、技術をもっている方であれば、マンガの描き方とかになるんですかね?
鈴:いま、プロと呼ばれているマンガ家が6000人くらいで、プロに準ずるアマチュアが3万人くらい。さらに、ちょっとマンガ家になってみたいなという人が20万人くらいいるだろうと言われてます。その層に対して、アプリの使い方や「こういう風に描くと絵がうまくなるよ」的なことをやる、これはありですよね。うん、ということは有料化するためには…あ、なぜか有料化を考える……。
(一同爆笑)
鈴:そうか、「こうするとマンガがうまくなる」だ! 「人気マンガ家になるための…」あ、これは嘘かな~。
(一同爆笑)
鈴:人気マンガ家になってねーしなオレ、みたいな。
M、編:いやいやいやいや。
編:マンガを電子書籍で出す、というだけは「プロが電子化するためのノウハウ」になってしまうからシブイんですよね。えらく技術的な話になってしまう。
M:そうですね、マンガの描き方とか、やっぱりノウハウ系がいちばんわかりやすいですよね~。
編:アニメーション監督の方がアニメの作り方という、gifアニメを入れたメルマガを配信しているんですけど。いまは連載が2年以上止まってるのに、バックナンバーが毎月ずっと売れ続けているんです。
鈴、M:おおおおーすごい~!
鈴:バックナンバーを1本ずつ売るって方法もあるんですか!
編:そうですね、月間単位で売っています。
鈴:なるほど、なるほど。売り方が単行本みたいですね。
M:これが、なかなかバカにならないんですよね。
鈴:そうか、月ごとに売るパターンだけじゃなくて、完成コンテンツを作って本を購入してもらうように売ることもできるってことですね。それも、昔からやってらっしゃるんですよね?
編:バックナンバー自体は売ってますね。連載をやめてもずっと売り続けてます。
鈴:は~、なるほど。その場合、たとえば5ヶ月分みたいな買い方をするんですか?
編:はい。MBさんのメルマガも、今月から読み始めた人が、第一巻:14年1月からバーーッと一気に買うイメージですね。
鈴:いま買ったら昔のバックナンバーが全部タダで読めるんじゃなくて? 昔のコンテンツも有料でそれぞれ売っているんですか!?
M:はい、売っているんです。
鈴:ひゃ~、それはデカい!
(一同爆笑)
鈴:そうだったのか~、それだ! やろう!
(一同爆笑)
編:イラストが書けてもネームはムリとか、⚪︎⚪︎ができないとか。結構、マンガ家の卵からそういう話をよく聞きますね。たとえば月ごとに、今月は集中で「ネーム月間」とか、「コマ割りの極意はこれだ!」とか。意外に、ノウハウを伝授するというのはないかもしれないですね。いちおうマンガの描き方のメルマガはあるんですけど、先ほどおっしゃっていたような編集者的視点のものってないんですよねぇ。
M:買ったぶん、Q&Aもすごく需要があると思いますね。
鈴:この間、新人でプロデビュー1回くらいの子が作ってきた60ページくらいのマンガが持ち込まれたんですよ。「先生、批評してください!」って。で、読んでみて、ココとココが良くないよとかやっていたんですけど、これって「コンテンツになるな」ってちょっと思ったんですよ。
M:あ、まさにそれですよね。
鈴:「君が考えたアイデアは、これはアイデアと呼ばないんだ!」とか「独自性がないんだよ」とか答えてね。そして、たとえばこういう風にしたら?っていうのを5パターンぐらいバババーーって、でっちあげるんです、その場で。そうすると、だいたい向こうが「おおおお!」ってなる。
M:あー、なるほど~。すごくいいと思います。
鈴:てことは、添削みたいなものをやることによって、マンガがもっとおもしろくなる方法なんだ。
M:そうですね、もっと言うとブログでマンガの描き方みたいなものを書いて、添削は有料メルマガのQ&Aで……。
鈴:そうだ、 それだ! さすが!
M:ある程度の金額を払うサロンになると、みんなでマンガを描いたりとか。マンガ塾みたいになる(笑)。
鈴:ああ、ものすごく明確だ、これは。そこに行き着くのかぁ。ものすごく参考になりました。