優良なユーザーを集めるには、やっぱりメルマガ
鈴:メルマガも有料と無料を同時にやっている人もいるんですよね?
編:はい、結構いらっしゃいます。パターンが幾つかありまして、無料の方ではさわりだけ、大事なところは有料で、という方もいらっしゃいます。あとは、政治家の方だと、書いてある内容は無料も有料も一緒、ただし応援したいという方は有料版を買ってください、というパターンもあります。
鈴:あー、なるほど。
編:みそさんもマンガの中で触れていたクラウドファンディングのようなものですね。個人献金よりも簡単ですから。また、無料版では日常を綴って、そこから出てくる記事は有料版で、ということもあります。たとえば、こういう人と会ってこういう話をしたんだ、と無料版では伝えて、話の中身は有料版で、というやり方です。無料版はまさに玄関のように間口を広く空けておいて、興味のある人を自動ドアでどんどん入れていって、その中から「ここから先は100円玉を入れたら中に入れますよ」という感じです。
鈴:無料だと、ものすごくたくさんの読者を集めてる人もいますよね。どれくらいの数がいるものなんですか。
編:一番多い方だと20万人くらいです。
鈴:20万人! なるほどねー。
M:大変な数ですよね。それだけで広告価値がある。
編:数万人くらいだと結構いらっしゃいますね。
鈴:そうですよね。twitterだと10万人、100万人とフォロワーがいる人もいますが、メルマガだとそこまで増えないんですよね。より「濃い」からですかね。
編:twitterの場合は放置できますが、メルマガは届いたものを放置できませんからね。なので、中身がよくないメルマガはどんどん減っていくのが普通です。その代わり、残ったものは長年読み続けられているものも多いです。例えば読者数の少ない発行者さんでも、10年くらいずっと書き続けられていて、ちょっと入院されて1、2週間発行が出来なかったら、大丈夫ですか? と問い合わせが来たりして。今週来なかったけれど? と。この辺もラジオパーソナリティと一緒でメルマガを中心に緩やかなコミュニティが生まれるような感覚があります。
鈴:なるほどー。なんでもない、その辺にいそうな方が発行されているメルマガもあるんですか?
編:結構いらっしゃいますね。
鈴:それはやっぱり、とても身近な内容で、読者の数もそんなに集まっていないという感じなんですか?
編:読者がさほど集まっていないメルマガもあります。そういうところに光を当てて、実は面白いコンテンツがこんなに沢山あるんだよ、ということをやっていくために、まぐまぐニュース!などのウェブメディアをやり始めたところなんです。
鈴:そうですよね。もっと拾い上げて欲しいですよね。コンテンツはいっぱいある筈なんですよね、隠れたコンテンツが。
編:全部は見きれないというのもありますね。それと、ウェブに載せても大丈夫な内容かどうかという判断のところですね。
鈴:そうか。基本的に書く内容は発行者に任されているから。
編:それをウェブ転載した場合には、こちらにも責任が出てきますから。ちょっと危ないかなっていう内容のものも中にはありますから。
鈴:そうかそうか、なるほどー。下手をするとコピペで運用している人もいるかもしれない。
M:でもその逆も往々にしてありますよね。有料メルマガで発信していたものをコピペしてブログに貼られてしまったり。
鈴:ああ、それ困りますよね。
M:見つけようがないんですよね。たまたま何個か見つけたものはしらみ潰しにやるんですが、それは本当に困りますね。
鈴:ネタ元を書いてくれればいいんですけどね。
M:そうですよね。元を書いてくれれば何の文句もないんですけどね。どうぞどうぞって。
(一同爆笑)
鈴:電子はコピーして広められますからね。
M:それはデメリットとしてありますね。
鈴:僕は電子で本を出す時にコピーガードを付けないようにしているんです。多少、拡散されるとか、知り合いに回すのはしょうがないし、立ち読みこそ、そうやって広がっていくものだから、コピーに関してはあまりガチガチ言わないように考えているんですけどね。
編:1巻目だけ無料にしたり値段を落としたりしていますよね?
鈴:ああ、そうです。1巻目だけ値段を落として、その次の週には無料もやってみて。ただ案外、無料でそんなに伸びるわけではないんですよね。
M:そう書かれてましたよね。
編:タイムラグがあるんですかね。無料だからとりあえずとっとく感じで。
鈴:100円で売った時の後ろの伸び方に比べて、タダって、ほとんど動かないんです。1%もいかないんですよね。タダで手に入れたものってほとんど読んでないんですよ。で、ああこんなのもあったんだって。だから強烈な積ん読になっているんですね。そこをどうやって掘り返していくかっていう。値段と本の連携っていうのは面白いデータなんですけれど、これは販売する面白さだから、決して読者が増えてるわけじゃないんですよね。
編:個人がネットでやっていく場合、宣伝が一番難しいと思います。お二方は強い宣伝ツールをお持ちなわけですが。
M:でも絶対、埋もれますよね、ネットって。書店は平積みで並べられるけれど、ネットはココにしかない、っていうのはそうだと思うんです。
鈴:書店は、「本を買いに行くぞ」という目的を持った人たちが集まってくるから。ユーザーが能動的じゃないですか。コレいいものですからどうぞ、って言ってもネットではなかなか買ってくれない。
M:そうなんですよね。さっきの話に戻りますけど、やっぱり能動的な動きをされる方を集める方法というものが必要なんじゃないかなって。
鈴:そこです、そこです。優良なユーザーってことですよね。単にお金を払うだけではなくて、とても物事に興味があって、そこに価値を感じているからお金を払ってくれる。そういう人たちとともに共同体として情報を共有していくことが大事ですよね。
M:本当にその通りです。どちらかというと、タダで釣って「パクッ」てくる人は、やっぱりそれでしかないというか。
鈴:そうそうそうそう(笑)。
M:大事な読者さんというコミュニティを如何に広げるか。優良なユーザーをいかにそこへ呼んでいくか、というやり取りの方が建設的のように感じるんですよね。
鈴:そうだ、そうだ。そこですよ。そのために、メルマガも優良なコンテンツを頑張って作って、そこに価値を感じる人を集めていく。そして、その方法を上手に見せていく。これですね。そのツールとして、本当にメルマガは有効ですね。やっぱりブログ、メルマガ、それぞれ違いますね。twitterも違う。
M:僕もなんかいろいろなことを考えてやってきたんですけれど、タダでやるとなると書くときに自分にも甘えが出てしまう。やっぱり有料で、本当にいいものを書かないとダメなんだと。
鈴:ああそうかあ。そうですよねえ。
M:それを考えるとプライドも出てくるんですよね。絶対にこれは500円以上の価値があるだろ、って。ふざけんなよ! って(笑)。
編:そうですよね。毎週5万字ですもんね。
M:そうなんですよ。だから今週つまらなかったみたいなことはあんまり言われないんですけれど、言われたら、別に止めりゃいいじゃんって。絶対5000円以上の価値あるよって。そういうものを作って広めるのが、やっぱり一番真っ当なんだろうなっていうふうに思いますね。
鈴:真っ当ですね。
M:真っ当ですよね。
鈴:よし、今日は「真っ当」のコピーで行こう。
(一同爆笑)