子供を絶対に責めないで。登校したくてもできない壮絶ないじめの現場

 

ただ、それでも、いじめが再発することもあるので、再登校させるにあたっては、もう一段の対策をしておくべきだと思います。まず、いじめられていたお子さんと、いじめていた子供たちとの接触をできるだけ避けることが必要です。クラス替えする、できなければ、席替えを行いいじめグループとの距離を確保する、同じ班にしない、宿泊を伴う学校行事では同じ部屋に泊まらせないなど、具体的なことを学校に依頼するということも必要です。

担任に対して、クラスの子供たちに、「いじめは絶対に許さない」「休んでいたことを責めてはいけない」「仲間はずれにしたり、無視はだめだ」「優しい言葉をかけること」等の指導を行い、クラスの雰囲気を良くしておいて欲しいと要望することも大切です。また、仲の良い子を近くにおいていただくことも効果があります。結局、学校全体で再登校してくるお子さんをいじめから守る体制をつくることが大事です。

ここまでしてもいじめは起きることがあります。そこで重要なのが「いじめがあったら、すぐに先生のところに来なさい」「職員室に駆け込んできなさい。絶対に先生が守ってあげる」という言葉をかけてあげるかどうかということになります。この一言が言えなかったばかりに「先生は守るって言ってたのにウソだった」と教師に失望し不登校になってしまうことがあるのです。

さらに、保護者としても、本当に安全な学校になっているかを確かめるために、不登校の子が再登校する時には何日か付き添ってあげていただきたいのです。お仕事やその他で付き添いは大変に困難なことだとは思いますが、味方になってくれる大人の付き添いは心強いものです。

さまざまに述べてまいりましたが、再登校を成功させるには、教師と保護者の連携は欠かせません。この連携が取れない状況、あるいはいじめられる可能性があまりにも濃厚な場合は、転校も視野に入れる必要があります。

今回のメルマガを読まれても、実際に事件が起きた場合には混乱することが多いのではないかと思います。いじめは、「早期発見早期解決」が原則です。気になることがありましたら、早めにご相談ください。

いじめから子供を守ろう ネットワーク 松井妙子

image by: Shutterstock

 

いじめから子供を守ろう!ネットワーク
「いじめ」と学校の「いじめ隠ぺい」から、子供たちを救うための、父母によるネットワークです。いじめの実態やいじめ発見法、いじめ撃退法、学校との交渉法、いじめ相談などを掲載します。
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