遂に中国に「ノー」を突き付けた台湾。蔡英文勝利が意味するもの

 

蔡英文さんとは?

まず、蔡英文さんについて知っておきましょう。

1956年8月31日生まれ。現在、59歳。台湾大学法学部卒業後、渡米。コーネル大学で法学修士を取得。その後イギリス、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで法学博士。帰国後、国立政治大学、東呉大学の教授。

なんか、メチャクチャ才女のエリートですね。

李登輝さんが総統だった1990年代、蔡英文さんは、経済部・国際経済組織首席法律顧問、経済部貿易調査委員会委員、行政院大陸委員会委員、行政院公平交易委員会委員などを歴任。30代半ばから40代半ばにかけて、すでに政策に深く関わっていたのですね。

さて、李登輝さんは国民党ですが、2000年には、民進党政権が誕生します。蔡英文さんは、台中関係の政策を担当する行政院大陸委員会・主任委員に就任。04年、民進党から立法委員(=議会)選挙に出馬して当選。06年1月から07年5月まで行政院副院長(=副首相)。10年前には、すでに行政院副院長(=副首相)をされていたのですね。

民進党が再び野党になった08年、同党12代主席に就任。2012年、再選を目指す国民党の現職・馬英九さんと台湾総統選を戦い、敗北。この結果をうけ、党主席を辞任。しかし2014年、党主席に返り咲く。2016年1月16日、台湾総統選で勝利。今年5月、初の女性総統になる予定。

次期総統になる民進党蔡英文さんと、現職の国民党馬英九さん、最大の違いはなんでしょうか? そう、「中国に対する姿勢」が違うのですね。馬さんは、あまりにも急速に中国に接近していった。「このままでは、中国に併合されちゃうよ!」という危機感が台湾人の中に形成されていった。

1月16日に行われた台湾総統選挙の結果、野党・民進党の蔡英文主席が圧勝、総統就任式が行われる5月20日に台湾の政権交代が実現する。

 

選挙戦最大の争点は、中台関係-台湾は中国とどう向き合うべきか-だったが、台湾は有権者の総意として、馬英九現政権の急速な対中接近路線に「ノー」を突き付けたわけだ。
(時事通信1月19日)

「馬英九現政権の急速な対中接近路線に『ノー』を突き付けた」

これが、台湾総統選、最大のポイントですね。

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