アベノミクスは、このまま「紙クズ」になってしまうのか?

 

現在の経済状況はどうなのであろうか?

量的緩和により日本経済が良くなったのかというと、そうでもないようだ。

厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査 平成27年11月分結果確報」では、昨年11月の月間現金給与額は、全体的に前年比で横這い気味ではあるが、名目賃金と、名目賃金指数を消費者物価指数で除して算出した実質賃金の動きを見ると、ここ1年でも下降傾向が目立つことが分かる。

実質賃金が下落しているので、消費も伸びていないし、景気も横ばいになっている。国民の暮らしは代わり映えしない。ディプロマット誌には「Japan Without Ambition」が載り、日本は保守的であり、移民も認めないので停滞社会のままであると絶望している。日本への見方が大きく変化している。

日本経済は、金融緩和だけでは問題を解決できずに、日本社会の構造を変革して、移民を認め女性を認めて多様性のある社会にしないと、経済の停滞状況は解消しないと見ている。イアン・ブレマーも同様な意見を述べている。

日本の企業は、借金を返して内部留保があり、それを日本国内に再投資できれば、日本は経済的な発展ができるが、日本国内で今以上の需要が無いので、投資できない。日本は需要不足であり、供給は今まで通りにあるので、供給過剰な状態になっている。

このため、日本企業は国内投資ではなく、海外に投資したり、M&Aしたりと海外に投資している。そして、デフレにもなりやすい。

このままでは、日本は景気が良くならないと世界の投資家も思い始めているし、株価的にもアベノミクス相場は終わった

株価が1/21に16,017円になり、9/29の16,901円を大幅に下回ったことで、上げ相場はテクニカル的に終わったことが確認できる。当面の戻しは、17,348円で、今後の下値は14、581円となる。

しかし、まだ日本の大企業は、好調である。

このためには条件があり、企業業績が良いのは円安の状態であるためで、円安が続くということである。

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