出典は、最近読んだこの本です。
演劇集団キャラメルボックス製作総指揮の加藤氏の著作。社内外のコミュニケーションのヒントが満載です。
「人の前に出る仕事の人へ。」(加藤昌史・著 ぴあ)
会社の組織を表現するときによく、ピラミッドを使うことがあります。そう描くと、会社という組織は、社長というトップがピラミッドの頂点にいて、中間管理職が真ん中、新入社員たちが底辺になります。
多くの人はこの図が頭の中にあるので、社長が一番高い位置にいて全員を見下ろす偉い人で、社員たちはそれを支える最下層と思ってしまいます。
確かに、人数的なシェアを表すには正しいですが、それは「上」「下」を表すものではないとしたら、別にピラミッド型である必要はありません。
その三角形を、逆さにしてみたらどうでしょう。逆ピラミッド、つまりコマのように立てる。そうすると、社長だけが地面に接していて、不安定な会社を1人で支えていることになります。社長は、こういう感覚を持たなければなりません。自分が一番、会社の中で頑張らなければならないのです。
こういう意識を持つと、社長が「俺だけが会社を支えている」と勘違いしがちだ、と思うかもしれませんが、そうでもありません。実際にこの図がイメージできるとしたら、社長が地面で1人で必死に全体を支えているときに、上部の社員たちも社長のために頑張っていることを実感することができます。
「こっちに偏ったら、社長がかなりきついぞ」
「自分たちもまとまらないと、社長1人じゃ支えきれなくてこの三角形は倒れちゃうぞ」
と、上部にいる社員たちもバランスをとって社長の負担を減らしてくれているのです。社員たちがそうやって頑張ってくれればくれるほど、一番下で一点で支えている社長はラクができるのです。
それでも、その社長が気を抜いてしまうと、組織はあっという間に倒れてしまいます。社長は一番上から見下ろすから偉いのではなく、一番下で力強く支えるから偉いのです。だから、社長は社内の誰よりも頑張らなければならないし、社員は社長の頑張りに応えなければならないのです。
【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)————-
・「社長」(ほかに店長、理事長、会長など自分の仕事に合わせる)とは、組織の中でどのような存在であるべきか。自分の考えを100文字程度でノートにまとめる。
image by: Shutterstock
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