新居に幽霊が出た。事故物件と知らずに買ったら後から解約できる?

 

欠陥の存在が明らかである物理的瑕疵と異なって、心理的瑕疵については、取引をする当事者の感じ方によってもかなり左右されるものですし、説明すべき瑕疵に該当するかどうかについて、法律上の明確な規定があるわけではありません

心理的瑕疵が認められるかどうかについては、発生した事件や事故の重大性や残虐性、発生してからの経過年数、事業用か居住用か、などを考慮して判断されています。

裁判例を見てみると、物件の売買においては、6年前にベランダで自殺があったマンションの売買について、子供を含めた家族で居住することを目的としてマンションを購入したものであり、事件後6年という期間も瑕疵がなくなるといえるほど長くはないとして、心理的瑕疵を認め買主の契約解除を認めています

7年前に物置で自殺があったけれども、売買の際には当該物置が取り壊されていた住宅の売買のケースでは、事件のあった物置が存在していないこと、7年という年月が経過していることを理由に、心理的瑕疵は認められないとしています。

他方、建物内で殺人事件があり、その後建物が取り壊され、土地の売買が行われたケースでは、事件のあった建物は消滅しているものの、依然殺人事件の記憶が風化せず周辺に残っていること等の理由から、心理的欠陥はなお存在していると認めた例もあります。

殺人事件は、自殺等に比べて残虐性が大きいことから、買主・借主の嫌悪感も大きく、また周辺の住民の記憶に長く残ることから、長期にわたってその瑕疵が物件に存することになると考えられています。

最近では、不動産のサイトでは、「心理的瑕疵物件を明示して、非常に安い価格で不動産を紹介しているところも多いようです。

image by: Shutterstock

 

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