安倍政権は倒れるのか。共産党の英断で自公過半数割れの悪夢

 

11プラス17の1人区が鍵

民主=岡田がそんな有様でも、野党選挙協力の戦略的重要性を理解している枝野幸男幹事長、辻元清美役員室長ら党内リベラル勢力の奮闘と、昨夏の「15年安保闘争」でめざましく成長した立憲民主主義の確立と安保法制廃止を熱望する市民勢力の下からの圧力とによって、各地での野党選挙協力は思いの外進展しつつある

参院選の全選挙区の立候補状況は、添付の資料を見て頂きたい。その中で、32ある1人区でどのように選挙協力が進んでいるかは、マスコミは部分的・散発的にしか報道していないし、各党に問い合わせても、日々流動している各区の情勢についてまとまった正確な情報が出て来るわけでもない。そこで本誌が専門家の協力を得て、今の時点での状況をまとめたのがこの資料である。

それによると、すでに野党各党や地元の市民団体との間で政策協定が結ばれるかまもなく結ばれるところまで到達した1人区(資料では●印)は11で、北から順に、青森、宮城、福井、山梨、長野、鳥取・島根、徳島・高知、長崎、熊本、宮崎、沖縄である。

また、大筋合意に達しているか、かなり協議が煮詰まっているところ(◎)、協議が始まっているところ(○)は17で、岩手、秋田、山形、福島、栃木、新潟、富山、石川、岐阜、三重、滋賀、奈良、和歌山、岡山、山口、大分、鹿児島である。

合わせて28で、残りの4つの1人区からもこれから動きが出て来るかもしれないが、例えば群馬のように自民党の中曽根弘文が圧倒的に強くて民主党は候補者も出せないでいたようなところが多いので、あまり可能性はない。

そこで、この●の11選挙区で野党が確実に勝てそうで、さらに◎や○の17でも少なくとも半分くらいは勝てる見込みがないわけでないという状態で7月を迎えられるかどうかである。

周知のように、自民党は今回改選数50、公明党は9で、非改選数は65、11なので、仮に前々回参院選で29の1人区のうち自民党が獲った21のなかから8~10程度を野党が獲り、それに応じて比例や複数区でも数議席減らさせて計14議席を奪ったとして、その時に公明党も複数区と比例で現状維持に止まっていたとすると、非改選と会わせた自公合計は過半数を割る。安倍政権を崩壊させるのは、それほど難しいことではないのである。

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