家を売らない工務店が数年で売上倍増――危機を救った2代目社長の「決断」

※写真はイメージです
 

同社には、モデルルーム「mintoハウス」がありました。

通常、モデルルームというと、戸建住宅を建てたいと下見にやってくるお客様に、将来の我が家をイメージしてもらったり、色々と注文を聞いたり、時には、アドバイスを差し上げたり、といった住宅の販売目的のものとして存在していますが、「mintoハウス」では、それが一切ありません。

地域の皆さんに開放し、そこではお料理教室、パン作り教室など、地元の方達に利用してもらっています。

そうすると、自然と地域の中でコミュニティが出来ていきます。

まさに地域との関り「まあるい暮らし」を根ざすべく、唯一無二の存在であるこの「mintoハウス」を核に、地域で暮らす人達へ活力とコミュニティの場を提供していきました。

現在では、様々なイベントを催し、毎月500名もの人達で賑わっています。

家を売らない、工務店

それなのに住宅の注文やリフォーム相談など、5年前とは比較にならないほどにまでなりました。

あの時の決断が無ければ、現在はありません。

* * * * *

「まあるい暮らし」を「mintoハウス」から発信するだけでは限界があります。

もう少し広く地域社会に……

ということで、今から3年ほど前、1つ企画を立て実行したことがあります。

それが、千羽鶴でした。

「mintoハウス」に集う市民約600名の方達の協力を得、千羽鶴を折ることにしたのです。

折られた千羽鶴は、地域をこれまで支えてきてくれた先輩へ、感謝の気持ちとしてプレゼントすることに。

そのプレゼント先に選んだのが、市内にある高齢者施設でした。

このことは地元で評判となり、地元新聞にも写真付きで取り上げられることに。

これがきっかけで、「mintoハウス」でやっている教室、習い事を施設でも行うことになり、益々地域との関りが強まっていきました。

>>次ページ  「決断」を下すための判断材料とは?

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