真田家ゆかりの武器も。知恩院の「七不思議」が現代に伝えるもの

 

大杓子(しゃくし)

大方丈入口の廊下の天井の梁に置かれている大きな杓子です。長さ2.5メートル、重さ約30キロもあります。非常に珍しいものなのでその下を通る人が見上げているのですぐに分かります。大阪夏の陣三好清海がこの大杓子を持って活躍したと言われています。

杓子はすくう道具なので、すべての人々を救う阿弥陀様の慈悲の深さを表していると伝えられています。

瓜生石

黒門への登り口の路上にある大きな石は、知恩院が建立される前からあると言われています。周囲には石柵をめぐらしてあります。この場所は境内ではなく、アスファルトの公道の真ん中にあります。知恩院創設は1175年ですが、この石はなんと860年にはすでにこの場所にあったそうです。石には、誰も植えた覚えがないのに瓜のつるが伸び、花が咲き、瓜が青々と実ったという説があります。

また、八坂神社の祭神である牛頭ごず天王が瓜生山(うりゅうざん)に降臨した後、再びこの石の上に現れたそうです。そして一夜のうちに瓜が実ったという説があります。

この石の下を掘ると、地下道があり二条城までつながっているなどさまざまな話が言い伝えられている不思議な石です。

いかがでしたか? 七不思議はただ不思議だと言うだけではなく昔の人の道徳や仏の教えなど貴重なメッセージが含まれています。その多くは現代の我々の心に響く大切なものです。

京都の魅力は深く知れば知るほど、より沢山の場所を訪ねるほど、多くを学び、謙虚な気持ちにさせてくれるところにあります。人を思う気持ちや道徳心、愛情や慈悲の心など本当に大切なものは目に見えないものです。そのようなものを文字という目に見える形でこれからも皆さまにお伝え出来ればと思っています。

image by: TADAC / Shutterstock.com

 

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