元「旅行読売」編集長が暴露する、有名寺院のボウズ丸儲けシステム

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企業が雑誌に広告を掲載するには広告料を支払うのが常識ですが、由緒ある「有名寺院」になると、掲載する側が逆にお金を払うのが常識のようです。元『旅行読売』編集長の飯塚玲児さんは、自身のメルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』で、先日亡くなられた写真家の経営するフォトエージェンシーと、京都の有名寺院の間に存在する癒着構造を暴露。「志納金」の名のもとに寺院の写真利用料を徴収するやり口を「まさに”ボウズ丸儲け”」と批判しています。

“ボウズ丸儲け” にモノ申す!

なんだかしんみりした話題ばかりで恐縮だけど、つい先日、仏像や寺院などを撮影し続けてきた写真家の小川光三さんが亡くなった。

一般の人にはそれほど知られていないかもしれないけれど、少なくとも、歴史関係の書籍や雑誌を編集している人間は誰でも知っている。 上記リンクにもある通り、奈良を中心に古寺仏の写真を撮影し、その写真をストックフォトとして販売している「飛鳥園」の経営をしてきた方である。

その小川氏の写真がいいか悪いか、それはさておいて話を進めたい。
というのも、例えば土門拳が撮った仏像写真はおおよそ手が出る値段ではないからで、その意味では、小川氏は会社を経営していて、少なくともまったく手が出ないという値段ではない。 会社の窓口の方もまったく威張っていない。

ただ、僕としては少し思うところがあるのは事実である。 それは奈良、京都の古社寺との「癒着」の構造が透けて見える気がするからである。 癒着と書くと言い過ぎかもしれないが、少なくとも京都・奈良の古社寺には、この飛鳥園ともう一つ、京都にある「便利堂」というフォトエージェンシーの写真以外は使用してはいけない、というところも多いのは事実なのである。

明確にダメだ、と言っているわけではないのだが、実際には掲載許可が出ないということを僕自身も経験している。 それも1度や2度ではない。
写真掲載規定の中に、このどちらかで写真を借りて申請すること、と謳われているお寺もある。

問題は、この2か所で写真を借りると、普通よりとても高いということ。
しかも、写真のレンタル料のほかに、寺社への「掲載志納金」なるものも支払う必要がある。 「志納金」というところがいけ好かない。

要するにご志納な訳で、こちらからは要求していないですよ、という建前になっているわけである。 するとお布施と同じで、税金は非課税になるだろう。こういうのを「ボウズ丸儲け」というのである。

もっとも、たとえば法隆寺などは使用する写真の大きさをセンチ単位で測って金額を算出し、「**万円をお納めください」と許諾書に書かれていたはず。
この場合は「掲載料」であったと記憶している。 だが、寺としてどういった項目で売り上げ計上しているかはわからない。

ほかにも色々なパターンがあって、たとえば金閣寺では、お寺から借りた写真以外は許可が出た経験がない。 以前借りた時は3点借りて10万円だった。それでも写真代込みと考えれば妥当かもしれない。

もちろん「志納金」の意味をきちんとわかっていらっしゃるお寺も存在する。
代表的なのが平等院である。 写真も快く貸してくれて、志納金は「そちらのご予算の範囲内でいくらでもけっこうですよ」という。 図に乗って「3000円くらいしか出せないんですが」と聞くと、かまいませんよと言ってくれた。

世の中の生臭坊主ども、この態度を見習って欲しい

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