お金ではない。松下幸之助を素人から経営のカリスマにした「志」

 

まったく商売経験のないなか生活の糧を得んがための開業でしたが、松下さんには改良ソケットがお客様に役立ち喜んでもらえるとの自信がありました。まったくの素人なので買ってくれそうな問屋を巡って押しかけて行き、売れそうか、また価格はいくらぐらいがよいのか聞くことから始めています。しかし当然のこととして、素人ではまったく相手にもされませんでした。

まったくの伝手のないところから事業を始めたので、創業当時は困難の連続で、そんななかでも思わぬ幸運もあり、事業を少しずつ軌道に乗せて行きます。ここでは、知恵の話をしようとしているので松下さんのその軌跡を辿って行きますが、最初の知恵は自覚なく行えたもので、電気に将来を見て、お客様に喜んでもらえる先んじた効用のある商品を開発したことです。

松下さんは「本気になって志を立てれば事は半ば達せられたといってよいかもしれない」ということを言っています。最初の事業初めからソケットの素材のベークライトの製法をオープンにしたり、事業業績についても公私を分け隠し立てしなかったり、ちょっと信じられないほどの一味違った透明性のある経営スタイルをとっていました。

print
いま読まれてます

  • この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け