アルツハイマー予防に効果のある飲み物は「牛乳」という研究結果

2016.10.18
by gyouza(まぐまぐ編集部)
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アルツハイマー型認知症は若年発症型と高齢者が発症する通常型に分かれ、その多くを占める通常型は60歳以上の高齢者に発症します。

記憶、思考、行動に問題を起こす脳の病気です。

米国では500万人以上がアルツハイマー病にかかっており、65歳以上の人口比率の増加に伴い患者の数は毎年増え続けています。

日本においても、シードプラニング社調査によれば2010年時点におけるアルツハイマー型認知症患者数は約116万人、2020年には167万人に達すると予測されています。

実はこのアルツハイマー型認知症の予防について、興味深い研究結果が発表されていました。

アルツハイマー型認知症予防に有用なのは?

株式会社 明治は、このアルツハイマー型認知症予防に関して、公益社団法人 久山生活習慣病研究所 代表理事・九州大学大学院医学研究院環境医学 清原 裕教授と行った共同研究結果を2014年11月27日に発表しました。

実験は福岡県久山町に在住し認知症を発症していない60歳以上の方1081名を対象に、牛乳・乳製品の摂取量を調査。

その後、認知症発症の有無を17年間追跡調査した結果、牛乳・乳製品の摂取量が多い人は、アルツハイマー型認知症の発症リスクが有意に低下することが確認できたとのことです。

知的能力の低下予防にも

そして福岡県久山町に在住し、認知症がなく、かつ日常生活動作ならびに生活機能に問題のない65歳以上の方1029名を対象に牛乳・乳製品の摂取量を調査した後、生活機能低下の出現の有無を7年間追跡調査した結果、牛乳・乳製品の摂取量が多い人は生活機能のうちの「書類を書く」「新聞を読む」などの知的能力(知的能動性)が低下するリスクを軽減させることが確認できたとのことです。

この研究結果は、牛乳・乳製品の摂取が、アルツハイマー型認知症予防、知的能力の低下リスク軽減に役立つことを示唆しているとしています。

アルツハイマー型認知症は、患者のみならず、介護する家族にも、精神的、経済的に大きな負担を強いる病気です。

また今後高齢化社会が進むにつれて患者数が更に拡大する事も予想されており、今後の研究の進展により予防に対する知見が更に深まる事を期待したいと思います。

【参考】

株式会社シード・プランニング『アルツハイマー型認知症・軽度認知障害(MCI)の治療・診断の現状と今後の方向性』

株式会社 明治『牛乳・乳製品の摂取が認知症予防に及ぼす新たな知見を確認』

執筆:Mocosuku編集部

image by: Shutterstock

 

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記事提供:Mocosuku(もこすく)

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