相続財産管理人の報酬は、相続財産の中から支払われるのですが、相続財産が少なくて報酬が払えない恐れがあるときは、申立人である管理組合が、その費用を家裁に前納しなければなりません。親族がすべて相続放棄するような場合、そう判断されるケースがどうしても多くなります。「この費用がばかにならないんだよ~」と理事長。1人につき数十万になりますから。
もちろん、余剰の財産があればいずれ清算されるものですが、それがなければ、管理組合の持ち出しです。えっ、そんなリスクを背負って管理組合がしなくちゃならないことなの~と思われる方もいるでしょう。しかし、例え、報酬分がマイナスになっても、早く新しい所有者を確定しないと、管理費等の滞納は膨らむばかりですし、維持管理の上でもマイナスが大きいので、やるしかないのです。これが今後どんどん増えてくるだろうと管理組合は危惧しています。
長生きをすると、親はもちろん配偶者も兄弟も先に亡くなっている可能性が高くなります。子供がいない、姪や甥とは疎遠だというようなケースは、珍しいことではありません。そして、高額の財産でない限り、財産の整理は面倒だと放棄されがちです。「まだ、何とかマンションを売却した金額の中で、滞納分と財産管理人の報酬を出せているけど、だんだん厳しくなるのでは」…と。
最期まで区分所有者でいるって、けっこうたいへんなことなんですね。相続人がいない高齢者が、管理組合にあまり大変な思いをさせずに、最期きれいに旅立つ方法ってないのかな~。孤独死の問題と同時に、相続放棄の問題も、考えてみなければなりませんね。
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『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』
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