いいことないぞ。ミスタードーナツの「値下げ」戦略は、失敗に終る

 

ミスタードーナツが苦戦する真の原因はどこにあるのか?

これまで高級路線でドーナツ市場をほぼ独占してきたミスタードーナツですが、ここにきて低価格路線に舵を切った背景には何があるのでしょうか? 多くの方は、セブンイレブンを始めとしたコンビニがドーナツに力を入れ始めたからではないかとお思いかもしれません。

確かに、コンビニのドーナツが、ドーナツ市場を侵食していることは確かでしょう。ただ、あのセブンイレブンでさえ、ドーナツ市場で売り上げを伸ばすのに苦戦していることは間違いありません。その証拠として、最近ではこの11月に新たな商品を投入するなど頻繁にリニューアルを行い、試行錯誤していることが挙げられます。うまくいっていれば、このように頻繁にテコ入れを行わなくてもいいはずです。

恐らく、ミスタードーナツが苦戦する真の原因はドーナツ市場自体の縮小にあるのではないでしょうか。ドーナツのメインターゲットといえば、ファミリー層や女性層です。少子高齢化により、ファミリー層は減少していますし、健康志向の高まりによってカロリーの高いドーナツは女性にも敬遠される傾向にあります。このようにメインターゲットの購買意欲の減退により、市場規模の縮小が顕著になってきているのです。

同じドーナツチェーンでは、かつて行列の絶えなかったクリスピー・クリーム・ドーナツなども、一時期全国に64店舗を展開して急成長を遂げましたが、最近では閉店が相次ぎ、現在では46店舗まで急速に規模を縮小してきています。

つまり、ドーナツ業界は、世の中のトレンドに逆行していて苦戦するのは自然の流れといっても過言ではないのです。

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