いいことないぞ。ミスタードーナツの「値下げ」戦略は、失敗に終る

 

ミスタードーナツは果たして値下げで成功するのか?

現状、ミスタードーナツを展開するダスキンの業績は飲食部門が大きく足を引っ張っています。10月31日に発表された2017年3月期の第2四半期の決算内容は、売上高が1.7%減の811億円、本業の儲けを示す営業利益は6.2%減の25億円と伸び悩みが鮮明になっています。特にミスタードーナツを主力とする飲食部門に限って見れば、売上高は前年同期比8.3%減の203億円、営業損益に至っては赤字幅が拡大し、6億円近い損失を計上しているのです。

このような危機的な状況を脱するために、ミスタードーナツでは、値下げを武器に来店客を増やして売上アップを図ることにより、損益分岐点を大幅に超えて黒字化を目指していく戦略に舵を切りました。恐らく値下げをすれば、購買単価は下がるかもしれませんが、当初は思惑通りに顧客数がアップして、最終的な売り上げの向上が見込めるでしょう。

ただ、心配な要素は、これまで値下げで成功し続けた企業はほとんどいないという事実です。飲食関連企業でいえば、マクドナルドや吉野家はデフレの勝ち組と称されましたが、値下げにより「安物のイメージが定着して、値上げ局面で大きく顧客を失うことにつながりました。また、最近では同じようにデフレの勝ち組だったユニクロも値上げで失敗し、業績に暗雲が立ち込めています。

これら低価格で成功し、その後苦戦する企業の過去に学ぶならば、一旦値下げすると、もう値上げすることは難しく、値下げ直後に一時的な成功を収めるかもしれませんが、将来的にはさらに難しい経営の舵取りが求められることは想像に難くないでしょう。

売り上げが伸び悩むから値下げして需要を刺激しようという戦略はあまりに短絡的です。本来であれば、既存製品の売り上げが頭打ちになった時には、イノベーションによって新たな需要を創造することが理想ですが、ミスタードーナツは新製品開発でいろいろとチャレンジしたものの手詰まりとなったということなのでしょうか。

いずれにしろ、すでに賽は投げられました。ミスタードーナツが、先達と異なるどのような次の一手を繰り出すのか注目していきましょう。

image by: TK Kurikawa / Shutterstock.com

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