温泉の「タトゥーお断り」問題で逆に浮き彫りになった日本人差別

 

しかし、茂木氏のいう通り、スポーツ選手にもタトゥーを入れている人はたくさんいる。 将来の東京オリンピックなどで日本を訪れたこれらの外国人選手や観光客らが、日本観光の大きな魅力の一つである温泉から閉め出しを食らうということにつながりかねないのは、やはり問題だ。

茂木氏や『温泉批評』の記事でも指摘している通り、「ベッカムやネイマールが温泉にきたら、入浴を断るのか?」ということを考えたとき、断った場合はそれぞれの国の英雄を差別するわけで、国際的な問題になるだろうということは想像に難くない。

今回はこうした問題について、政府が公式な見解として「入れ墨だけで入浴を断ることは法の定める制限理由に該当しない」と発表したわけだ。

これはこれでよかったと個人的には思うのだが、それでも、施設ごとの判断に任せる部分があって、すぐに全国の施設で入浴がOKになるわけではない

少し話を戻して、先の実態調査に関しては、2015年10月21日最終更新の結果発表もされている。 それが以下の通りである。

<アンケート結果の概要>

○ 全国のホテル、旅館約3,800施設に調査表を送付し、約600施設(約15%)から回答。

(1) 入れ墨がある方に対する入浴について

  • お断りをしている施設が約56%
  • お断りしていない施設が約31%
  • シール等で隠す等の条件付きで許可している施設が約13%

(2) 入れ墨がある方の入浴をお断りする経緯について

  • 風紀、衛生面により自主的に判断しているが約59%
  • 業界、地元事業者での申し合わせが約13%
  • 警察、自治体等の要請、指導によるものが約9%
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