小さい粒子が特に問題
このようにして、大気汚染物質の粒子が血管の壁に沈着することによって、心血管系の病気が引き起こされることが示されました。さらにはその粒子が壁に沈着することで、免疫細胞に指令を与え炎症反応をきたし、動脈硬化を起こすことにつながると考えられています。
大気汚染物質の中でもナノ粒子はディーゼル車の方がガソリン車のよりも約50倍も多く排出されるので、この研究結果はディーゼル車への規制を進めていく上で重要な意味を持ちます。最近はディーゼル車はかなり少なくなっていますが、まだトラックなどの貨物車でディーゼルエンジンが使われているようです。
大気汚染物質のうち粒子のサイズが小さいものほど血流に乗って血管の壁に沈着しやすいといえます。PM2.5などがそうです。テレビやネットのニュースなどで、PM2.5の濃度情報に注意してその曝露をなるべく避けるようにするとよいと思います。
文献:Miller M, Raftis J, Langrish J, et al. Inhaled nanoparticles accumulate at sites of vascular disease. ACS Nano 2017
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