増える暴走自転車。現役警官に聞いた「自転車取り締まり」のウラ話

 

吉田:やはり、警察官の間でも自転車事案は、こういう交通事故案件でも議論されるものなんですね。僕は警察の自転車事案=職務質問で夜間に呼び止めるだけしかしてないかと思ってましたよ(笑)。

Tさん:それは失礼な(苦笑)。ちゃんとそれ以外のことも考えてやってますよぉ。私の個人的な考えでは、自転車側の安全運転が守られない限りクルマバイク歩行者との共存は一生できないと思っているんですね。自転車にも免許証制度を授けないと安全運転が守られないと世間から常に後押しされてますが、警察側としても実行したい気持ちは山々なんです。ですが、取り締まる側が圧倒的に足りないこともあり、免許証を発行しなくてはならない年齢はどこからどこまでなのか等を行うには問題が山積みだったりします。

吉田:実際に自転車に運転免許証制度を授けようという動きはどれぐらい進んでいるんですか?

Tさん:正直言いますと全く進んでません。私が知る限りですけどね(苦笑)。

吉田:取り締まる側が圧倒的に少ないというのは警察官が足りないということなんですか?

Tさん:それもありますけど、自転車に免許制度を授けたら警察官だけで取り締まりしていたらキリがないとか、だったら、駐車監視員みたいに交通監視員をみなし公務員として組織を作ってやればいいじゃないか等の意見が、以前会議に参加した際に飛び交ってました。

吉田:僕個人の意見ですと組織として交通監視員を作るべきだと思いますね。理由なんですが、駐車監視員の目の前でバイクが信号無視したり、原付バイクが二人乗りしたりしているのを彼らが目撃していても、何も注意や警告すらしてない姿を歩行者の方々が見て、路上駐車しか取り締まってない役立たずな部分を疑問に思うという声を、多く頂いているんです。駐車監視員をもう少し育て上げ、彼らが交通監視員として活動できるようになれば交通事故なども減るのではないかと。

Tさん:単体で交通監視員やるよりも、駐車監視員に資格を取らせて並行して取り締まりをやるみたいなのは、凄く良いアイデアですね。そこまで到達するのに難題は数々ありますが、駐車監視員も年々売上……って言っちゃいけないんですけど、駐車違反の取り締まりが減っているような話も伺いましたから、彼らが警察官同様に交通監視まで出来れば一般の歩行者の方々も納得してくれるのではないかと思います。

吉田:歩行者が納得いくいかないの基準とは、何なんですか?

print
いま読まれてます

  • 増える暴走自転車。現役警官に聞いた「自転車取り締まり」のウラ話
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け