「教師が特別に期待した子どもは成績が伸びる」という心理学の有名な実験結果をご存知でしょうか。今回の無料メルマガ『子どもが育つ「父親術」』では、この「ピグマリオン効果」を著者独自の解釈を交えて紹介、「大人がどう接するかで子どもたちの成長具合に変化が生じる」と記しています。
ピグマリオン効果
「ピグマリオン効果」という言葉、お聞きになったことはありますか? 心理学に詳しい方ならご存知ですよね。教育に関わる方も、一度は耳にしたことがあるのでは。簡単に説明すると、こんな具合です。
- 有名大学の教授からの依頼で、小学生に独自の知能テストを実施する
→ただし、このテストは何の意味もないダミー。 - 教授から担任の先生に、テストの分析結果として「今後、成績が大きく伸びる子どもたち」を知らせる
→テストに意味はなく、当然ながら「分析結果」もウソ。ランダムに選んだ子どもの名前を挙げただけ。 - その後を追跡調査すると、名前を挙げられた子どもたちの成績が実際に伸びていた!
という実験結果を示すもの。この実験をした学者は「担任が特別に期待して、子ども自身も期待を感じるため、成績が伸びた」と結論づけています。
いろいろな批判・議論はありますが、私はこの実験結果について「あり得るだろうなぁ」と思います。ただその解釈は、オリジナルの「特別な期待(←接し方)をしたから、子どもが(本来の学力より)伸びた」とは異なります。私は、
- どの子も大きな可能性・伸びる力を秘めている
- それを信じ、適切に接していれば、自然と伸びるもの(信じずに接すれば、伸びるものも伸びない、ということも)
と解釈しています。つまり「特別に伸ばすことができた」のではなく、「もともと伸びるはずの子が自然と伸びた」だということ。さらにつけ加えると、
- 伸びる分野・伸びる方向・伸びる時期は、一人ひとりまちまち
とも考えています。実際に、前述の実験でも、名前の挙げられた子ども全員が成績向上したわけではありません。名前が挙がった中で向上しなかった子は、おそらく「学校の勉強」ではない別の分野に可能性を持っていた子、あるいは実験の時期ではないタイミングで伸びる可能性を持っていた子なのでしょう。
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