家庭教育アドバイス・・・「幼児期の子どもの嘘には、付き合うことも大切」
幼い頃の嘘は、空想と現実が曖昧で、子ども自身、嘘と真実の区別が付きません。
例えば、お友達が木登りをして虫を捕まえたのに「自分が捕まえた」といった場合、子どもの心の中では、お友達の勇姿が自分の姿になっているのです。
「どうしてそんな嘘をつくの!お友達が捕まえたんでしょう?」とわざわざ言わずに、「そう、自分で捕まえたの」と話を聞いてあげるようにしましょう。それだけで子どもは満足します。
想像と現実がはっきり区別できるようになると、こうした嘘も減っていきます。
また、問い詰めるのは逆効果です。例え明らかな嘘とわかっても、子どもの嘘の裏側の気持ちをくみ取るため、穏やかに質問をしましょう。
子どもが嘘をついた理由を正直に話したら、例えそれが悪いことでも「正直に話したことについて」叱らずに認めてあげましょう。
「嘘はダメ」ではありません。なぜなら「相手を慮る嘘」もあるからです。
だからこそ、嘘をついてはいけない、というよりも「正直な人間は素晴らしい」と言うことを伝えましょう。
子どもは成長するに従って嘘も上手になり、そのうちに、空気を読んだ社会を生き抜くための嘘をつくようになります。
こうした社会的なコミュニケーションスキルとしての嘘は、相手を思いやる気持ちの表れでもあります。
嘘は子どもにとって成長の一段階に過ぎません。
大切なのは、嘘に隠れた心の声に耳を傾けること、気持ちにより添うことです。
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