ここで注意が必要な点があります。「子どもの案には、絶対にダメ出しをしない!」ということ、肝に銘じておいてください。その理由は3つあります。
まず1つ目の理由。もしかしたらその案が(親の予想に反して)うまく行くかも知れないから。子どもは親とは別人ですし、生きている時代も勉強内容も異なります。親の「それじゃうまく行くはずがない」という先入観が、外れる可能性も充分にありますから。
2つ目の理由。子どもの改善案がうまく行かないなら、その経験もさせてあげたいから。親が寄り添ってあげることで、子どもは何度でも「失敗して、また次の改善案を考えて、実行する」のプロセスに繰り返し取り組むことができます。そうすることで、『反省→改善』を習慣化することもできるのだから、むしろ経験させてあげたいくらいですよね。
そして3つ目の理由。ダメ出しは、別の副作用もあるから。親としては、子どもの出してきた「改善案」にダメを出しているつもりでも、子どもにとっては「改善案を自分で考えてみた」ことへのダメ出しにも感じられてしまうもの。そうすると、次からは自分で改善案を考えようとは思えなくなってしまいます。そんな気持ちのところへ改善のプレッシャーを受けると、子どもは簡単に「じゃあ、どうすればいいんだよー」と親を頼るようになります。
しかし、親に言われた改善案は、自分自身で考え付いたものほどやる気が出ないうえに、結果が出なかった時にはすぐに親のせいにしたくなるという問題もあります。だから、子どもの案がイマイチそうに感じられても、
- 少しのヒントを提供するだけに留めて(上記の例で言えば、音読を提案した部分が「ヒント提供」です)、
- 決してダメ出しはしない。
- あとは、子どもの意欲と努力に寄り添ってあげる。
こんな意識で、学業不振の克服に向かうベースを作ってあげられたら、理想的ですね。いつ訪れるかわからないその瞬間に備えて、心の片隅に置いておいてくださいね!
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