「R」と「L」が区別できぬ日本人は欧米人より人間的って本当?

 

ペットを飼ったことがある人なら良く分かると思うが、ペットは飼い主の喜怒哀楽がよくわかる。飼い主とペットは言葉を介してコミュニケートしているわけではなく、動作や顔の表情を読んでいるのである。ペットも人間も扁桃体などの大脳辺縁系を共有しているので、喜怒哀楽が互いに理解可能なのであろう。人間は特に表情筋が発達しているので、表情を読むことで相手の気持ちがある程度分かるのである。

普通の筋肉は骨に止まっているが、表情筋は顔の皮膚に止まっているので、これを動かすことで、微妙な表情の違いを作ることができる。人間ほどではないがイヌも表情筋がある程度発達しているので、顔をよく観察すると、喜怒哀楽が分かる。ネコはイヌほど表情筋が発達していないので、鳴き声だったり、毛を逆立てたり、牙をむいたりといった動作で、感情を表現することが多い。同じペットでもカブトムシやクワガタムシは外骨格でおおわれているので、表情がなく、大脳辺縁系もないので、喜怒哀楽は(あるのかもしれないけれど)人間には理解不能である。だから、ペットのイヌやネコが死んで、ペットロス症候群になる人はいるが、ペットのクワガタムシが死んで、ペットロス症候群になる人はいない。

ゴリラやチンパンジーなどの類人猿は、脳の機能がさらに人間に近いので、言葉は通じなくとも、人間と感情的な交流が可能である。ゴリラ研究の第一人者・山極寿一によれば、ゴリラは顔を近づけてお互いの目をじっと見てコミュニケーションをするという。ひとたび信頼関係になると生涯信頼し続けるというから、信義を重んじることでは人間よりずっと上である。人間は、なまじ言葉を使うから、ウソをついたり裏切ったりするのであろう。

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