もし離婚したら年金はどうなる? 「半分もらえる」の大間違い

 

さて、昭和58年4月から平成18年3月までの23年間を分割しますが、分割はもちろん年金が多いほうから少ないほうに分ける。だから夫から妻に分ける。分ける場合は妻の老齢厚生年金月額30,000円から夫の老齢厚生年金70,000円の間で分ける。

ちなみに分割下限を数値で表すと、妻の老齢厚生年金30,000円を夫婦の婚姻期間中で計算した老齢厚生年金総額(30,000円+70,000円)で割る。30,000円÷100,000円=0.3になる。そうすると、下限は0.3になるのでこれを下限に上限50%(0.5)までの間で決めて分ける。妻の年金額を下回ってはいけないって事で下限を決めている。つまり、0.3<分ける割合(按分割合)≦0.5って事。ほとんどの人は0.5の半分で分けてます。分ける場合は50%を超えてはならない。元配偶者の生活保障もあるから、いくらでも分捕る事は出来ないって事です。

で、夫の23年分を半分こする場合は、夫の老齢厚生年金70,000円+妻の老齢厚生年金30,000円=100,000円(月額)を分ける。半分こだから100,000円×0.5=50,000円となる。

だから、夫は婚姻期間中の厚生年金期間で計算した70,000円から50,000円に下がり、夫の全体の厚生年金期間の老齢厚生年金額は婚姻前の期間で計算した老齢厚生年金月額10,000円と50,000円を合わせると60,000円(年額960,000円から720,000円に減る)になる。よって離婚分割後の夫の年金総額は老齢厚生年金720,000円+老齢基礎年金680,000円=1,400,000円まで減ってしまった。24万円減

一方、妻は老齢厚生年金月額30,000円から50,000円にアップした事により、老齢厚生年金年額は360,000円から600,000円にアップ! よって妻の離婚分割後の年金総額は老齢厚生年金600,000円+老齢基礎年金500,000円=1,100,000円となりました。離婚分割前より年額141,308円アップ(←1,100,000円-958,692円)。

あれ? 振替加算98,692円は? 振替加算は…消えました(笑)。

(または妻)から20年以上の厚生年金期間分、または自分の婚姻前の厚生年金期間と分けてもらった厚生年金期間分の年金が20年以上になると振替加算は消えてしまうのでこの辺は注意!

なお、夫から23年分の厚生年金期間が分けられてますが、妻の年金期間が増えたりはしないのでご注意ください。あくまで、婚姻期間中の厚生年金記録(給与額とか賞与額に関する保険料納付記録の部分)が分割対象となる。

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