「中国後」の日本は、どうする?
ここからウミクジ様の質問が出てきます。
中国に勝てたとしてもアメリカが覇権国家の地位から転落することは避けられないでしょうから、その後の世界は多極主義時代に突入することになりますよね? その時の日本には、大きく分けて三つの 選択肢があると思います。
- 日本自身が多極世界の中の一極になる
- 現在よりは自立した親米同盟国としてアメリカの勢力に留まる
- アメリカを裏切って他の勢力(インド?)に寝返る
私の答えは、この三つ、どれでもありません。
まず、中共が崩壊しても、日米同盟はなるべく長く続けるべきです。なぜでしょうか? ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、アメリカの軍事費は2016年、6,110億ドルで、ダントツ世界一。2位中国(2,150億ドル)の2.8倍です。ちなみに日本の防衛費は世界8位(461億ドル)で、なんとアメリカの13分の1にすぎません。
現状日本にとって、「日米安保」は、「最大の資産」と言えます。10年後20年後、ひょっとしたらアメリカの軍事費は世界1ではないかもしれない。それでも2位か3位にはつけているでしょう。この関係を自らぶち壊す必要はないと考えます。
もう一つ、日米安保がなくなった後、アメリカが「親日国家でいる保証」はありません。日英同盟が破棄された後、イギリスは、アメリカと組んで日本を潰すことにした。つまり、日英同盟解消で、イギリスは、味方から敵に転じたのです。アメリカもそうなる可能性があります。つまり日米安保維持は、「アメリカが反日的敵対勢力」になるのを抑える意味もある。
さらに、ご指摘のとおり、アメリカは徐々に衰退していく方向。すると、自然と、日本の役割が大きくなることを期待されます。つまり、日本は、アメリカのお墨つきを得て、「軍事的自立」に向かって進んでいくことができる。
では、インドはどうでしょうか? これは、アメリカと一緒にインドと同盟を組めばいいですね。インドは、「世界最大の民主主義国家」である。核兵器もある。地政学的には、中東と中国のど真ん中に位置している。というわけで、日米印同盟というのは、十分ありえる話だと思います。
日本は、アメリカ、インド両方と仲良くし、しかも軍事的自立を目指していく。そんな方向性がベストなのではないでしょうか?
もう一つ、とても重要なことを書いておきます。中共が崩壊し、中国が民主化された。それで、永遠に中国が沈んでいるわけではありません。
ソ連は、1991年12月に崩壊した。新生ロシアは、8年後の99年には、成長を開始しています。そして、プーチンは、再びアメリカの強力なライバルになった。中共が崩壊しても、中国は、また復活してきます。新生中国が、親日であればいいですが、そうでないことも考えておかなければ。
image by: 安倍晋三 - Home | Facebook