社員の健康をマジメに考える会社が知っておくべき「THP」って?

 

深田GL「新米くんは、『未病』って言葉知ってる?」

新米 「『未病』? うーーん、知らないです」

深田GL「『未病』っていうのはね、半健康・半病気状態、つまり、健康と病気の中間の概念ってこと。病気ではないけど健康でもない状態だ。『未病』は、発病には至らないものの軽い症状がある状態でもある。東洋医学では、五臓六腑がつながっているという考えが根本にあって、軽いうちに異常を見つけて病気を予防するという考え方があるんだ」

大塚 「五臓六腑ってそんなに密接なんですね」

深田GL「2,000年以上前の中国の書物『黄帝内経素問』(こうていだいけいそもん)の中にも『聖人は未病を治す』と書かれていて、予防の重要性が既に認識されていたことがわかっているそうだよ」

大塚 「病気になる前に予防ができれば、治療のために仕事を休むこともないし、健康であれば、仕事の効率もアップするでしょ。厚生労働省では、『事業場における労働者の健康保持増進のための指針』を示して、THPの増進を図っているのよ」

新米 「へー、『未病』って言葉、初めて知りました。で、THPって具体的には何をするんですか?」

深田GL「THPはね、『計画→推進体制を整える→健康測定→健康指導→実践→評価』というサイクルを繰り返して、実践していくんだ」

大塚 「実践メンバーは、6名必要なの」

新米 「6名って、やっぱり規模の大きなところでないと、難しそうですね」

大塚 「確かにね・・・。もっとも、THPスタッフが事業場内にいない場合は、労働者健康保持増進サービス機関や指導機関に委託して実施できるのよ」

新米 「委託できるんですね。で、その6名っていうのは…」

大塚 「一人目は、まずは産業医さんね」

深田GL「そうだ。THPをすすめる場合、まずは、研修を修了した産業医さんが健康測定を行うんだ。その健康測定の結果から従業員個人に合わせた指導内容・目標をつくり、4つの健康指導(運動指導、保健指導、メンタルヘルスケア、栄養指導)等をTHPのスタッフさんに担当してもらうことになる」

大塚 「これらを行うTHPスタッフを養成する研修は、中災防で実施されているわ」

新米 「中災防って…?」

大塚 「中災防っていうのはね、中央労働災害防止協会の略で、事業主の自主的な労働災害防止活動の促進を通じて、安全衛生の向上を図り、労働災害を絶滅することを目的に、労働災害防止団体法に基づき、労働大臣(現:厚生労働大臣)の認可によって設立された公益目的の法人のことよ」

新米 「中災防…。厚労省の関連団体ってたくさんあって、まだまだ知らない法人や団体がいっぱいありそうですね。中災防は覚えておかないといけない法人のようですね」

大塚 「そうね。何をしているところかは、知っておいてほしいわ」

深田GL「二人目は、運動指導担当者だ。従業員個人に合わせた運動プログラムをつくって、指導する人だ。三人目は、運動実践担当者。従業員に運動のやり方をアドバイスするんだ」

大塚 「四人目は、心理相談担当者。メンタルヘルスケアを行うとともに、職場の雰囲気づくりをするのよ」

深田GL「五人目は、産業栄養指導担当者。社員に食習慣についてアドバイスするんだ」

大塚 「最後の六人目は、産業保健指導担当者。仕事と生活に合わせた健康的な生活のためのアドバイスをするの」

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