テレビが時代遅れになる日は近い。選挙を変えたネット動画の威力

 

対する地上波テレビはどうでしょうか。オンエアされておしまいです。検証する術がありません。全番組録画して見ることは事実上不可能で、彼らは偏向報道により世論を操作してきました。

そしていま、各ワイドショー、ニュース番組は、数多くのネット民が録画し、保存し、問題発言を見つけては、解説付きでネット上に拡散されています。

著作権法から問題がありそうなコピペ動画も散見しますが、国民の知る権利とのバランスから今後、十分に議論が尽くされていくことになることでしょう。著作者の権利は守られるべきですが、公益のための検証は引用の枠内に収まるのではないかと。ネットという新しい公共空間のルール整備は、国民の負託を受けた国会の仕事です。

もうひとつの「ネット動画」は、いわゆる番組ですが、こちらは「放送法のしばりを受けません。だから政治的偏向もOKですし、主義主張による偏りだってOK

この代表格が「報道特注(右)」です。自民党入りした和田政宗参院議員、日本維新の足立康史衆院議員、筑地マグロ仲卸の三代目の生田よしかつ氏をコアメンバーに、時事を切り取るネット番組。

生田氏は自民党の平将明氏を「盟友」とし、自民党が定期配信するやはりネット動画「カフェスタ」でホストを務め、自民党の次世代の議員候補者を選抜する「オープンエントリー」に参加するなど自民党支持者というか、ほぼ関係者で、2人の国会議員も保守色が鮮明。

だからと自民党をほめそやすかといえば、そんなことはありません。是々非々ながら、放埒な言葉が飛び交う「本音トーク」が大人気。和田政宗参院議員によれば、安倍首相を筆頭に、国会議員の多くが見ており、さらには霞ヶ関の官僚も見ているといいます。

生配信も含めたネット動画の最大の利点は誰でも配信できる」というところにあります。だから左派というか、パヨクな人々もネット番組を配信していて、あの民進党だってやっています。

そしてそれぞれで偏向報道をやっています。まさに「言論の自由」です。

もちろん、片方の配信だけを見ていれば、洗脳され偏狭な思考になることでしょうが、それは選択の自由であり、個人の自由です。むしろ「不偏不党」と中立を装いながら、一方を贔屓している地上波テレビや朝日新聞よりがない分、マシであり、日本人の感性にマッチしています。

どんな社会的騒動が起きても、阪神タイガースの動向が一面を飾る「デイリースポーツ」に対して「偏向報道だ!」と糾弾しない理由と同じです。

安倍首相及び、自民党は今回の選挙を通じて「ネット動画への可能性を確信に変えたことでしょう。事実、最後の街頭演説を終えた直後の安倍首相は、自民党の広報番組ながら「カフェスタ」に生出演し、投開票を締め切った直後には、百田尚樹氏がホストを務めた「ニコニコ動画」の番組に電話出演しました。未確認情報ながら、地上波テレビのどこよりも早く、ネット番組に出演したといわれています。

選挙や政治はニコニコ動画のドル箱コンテンツで、同時間帯には豪華なセットが組まれた舞台で、夏野剛氏、津田大介氏、東浩紀氏に、政治家を含めたゲストを交えて選挙結果を分析する番組が放送されていました。

百田尚樹氏の方はジャーナリストの有本香氏と、先の仲卸生田よしかつ氏の3人が、狭い部屋で弁当食べながら「ダベる」だけ。

どちらもニコ動ながら、ユーチューブにコピペされていて、選挙から2日後にチェックすると、百田番組は22万の再生回数を数え、一方は4万7,000ちょっとと5倍の開きがありました。

これを取りあげた私のツイートが「ネットニュース」になっていたのは笑いましたが、どちらが人気かを比較するのが目的ではなく、「放送中」「選挙直後」というライブでなくても見られるネット動画による波及力拡散力を紹介するためのものでした。

もちろん、興味があるから見られるのであり、実際に百田氏の番組のほうが私は面白いと感じましたが、こうして「その時」を逃した国民に、知る機会をネット番組は与えているのです。

なお、ニコ動での生配信では、夏野氏の番組が20万を超え、百田氏は8万ちょっと開きがあったようです。しかし、百田番組はシステムトラブルでみられなかった視聴者も多く、正確に比較することができません。

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