信用していいのか。習近平氏が安倍首相に初めて見せた笑顔の意味

 

日中友好は、いいこと

皆さん、思い出してください。なぜ日中関係は「戦後最悪」になったのか? そう、中国が、「日本には尖閣だけでなく、沖縄の領有権もない」などと、トンデモ主張をしているからです。私たちの目的は尖閣と沖縄を守ること。中国が、トンデモ主張を停止すれば、和解してもいいのではないでしょうか?

思い出していただきたいのですが、2010年、2012年、日中関係が悪化したとき、日本企業は、大きなダメージを受けました。中国のような巨大な国とケンカするのは日本にとってリスクであり、損なのです。ですから、中国が、トンデモ主張をひっこめれば、ケンカするより、仲良くした方がいいに決まっています。

中国と和解する際の注意点

08~2017年の流れを見てきました。09年と2017年の「日中友好」は何が違うのでしょうか?

09年の「日中友好」は、「アメリカとの関係を破壊して中国に走った」のです。小沢さんは、事実上「日本は中国の属国になります!」と宣言した。一方2017年、日米関係は、戦後最良と言っていい。これを基盤に日中関係を改善させている。それで中国も、「関係をよくしたければ、尖閣を俺にくれ!」とは言えません。

日本は、アメリカと最良の関係にある。イギリス、インド、オーストラリアと「準同盟」の関係にある。ロシアともいい関係にある。「手を出せない状態にあるから習近平は微笑むのです。

もし、日米関係が最悪であれば、2010年の悲劇が繰り返されることでしょう。いえ、2010年レベルにとどまらないでしょう。今度は、尖閣を奪いに大軍が押し寄せてくることを覚悟する必要があります。

日中友好」これは、「日米友好」「日印友好」「日ロ友好の基盤があってこそ可能なのです。安倍総理は、「アメリカと不仲になっても中国と仲良くする!」と決断していた田中角栄さん、小沢一郎さんの過ちを決して繰り返さないよう、願っています。

image by: 首相官邸

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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