65歳前に貰える年金、受給を遅らせても増えないどころか大損も

 

まず退職してから請求するというのをお勧めしないのは、年金請求から初回支払いまでに最低でも3ヶ月はかかってしまうからです。退職したから年金生活に入ろうとしても、請求したからといってすぐに年金は支払われないので無収入期間を生じさせてしまう危険がある。給料が高いから年金がその間は停止という事になっても、とりあえず年金請求を終わらせていれば退職した時に自動的に偶数月に年金が支給され始めます。

あと、給料が高くて年金が停止されるなら請求を後にするというのも意味がありません。結局年金をその当時の給料や賞与をもとに当時に遡って支給される年金額を支払うので、請求を後回しにしたからといって年金の停止を免れるわけではないです。だからさっさと請求して年金を貰ってしまいましょう。

ちなみに、年金には5年の時効があるので、仮に62歳から貰えるはずの年金を68歳で初請求をした場合は63歳までの年金までしか遡って貰えません。つまり62歳から63歳までの1年分の年金は時効で消滅してしまい、してしまいます。65歳前から貰える老齢厚生年金を遅らせて得する事は全くないですが、損する事はある。

なお、65歳前から貰える老齢年金は主に「特別支給の老齢厚生年金」といって65歳から貰う老齢厚生年金とは別物。65歳から貰う年金を「本来支給の老齢厚生年金」という。これが正式な年金支給の始まりであり、終身貰うもの。

65歳になると本来の年金を貰うからこの65歳到達月に再度年金請求書が送られてくるから、それで再度65歳誕生月末までに請求しないと65歳以降の年金が支給されずに一旦差し止めという形になってしまう。差し止められても請求したら65歳に遡って支給される(5年以内の時効分まで)。これが65歳からの本来の年金を貰うのを遅らせると年金が増えるっていう話なのでお気を付けくださいね^^;。

ちなみに、国民年金から支給される老齢基礎年金は、そもそも国民年金ができた昭和36年4月から支給開始年齢が65歳からだったから昭和60年改正で国民年金からの給付が老齢基礎年金と名を変えても65歳から支給するというのは変わってない。

なんで国民年金の支給は厚生年金や共済組合と違って元々から65歳支給なのかというと、主な国民年金加入者が定年の無い自営業者や農業従事者だったから。雇用者である厚生年金や共済組合加入者には55歳定年があったから(平成6年の高年齢者の雇用安定法で60歳未満の定年を禁止して60歳以上の雇用の努力義務を企業に課した)、それに合わせていた。

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