■ 子どもの前で意見の違いを言い争わない
また、それは子どもにとって息苦しいことになりかねません。母親が几帳面で、父親がずぼらな性格だった場合、もし、子どもが少々だらしなくても、父親は「俺も一緒だよ」と共感してあげることができます。両親がともに几帳面だったら、子どもは“針のむしろ”状態になってしまいます。
「でも、もう一人の親が、とんでもない価値観を持っていたら……」と心配するかもしれませんが、真っ当な大人であれば、人間として絶対的に必要な部分は、同じはずです。「お店のものを盗んではいけない」「人に親切にしよう」「人を傷つけてはいけない」などは、どの親も子どもに言い聞かせていることです。
その結果、子どもは、絶対に守るべきことは厳守していき、それ以外のことは、ゆっくりと自分で判断するようになります。そうして健全に成長していくのです。
では、どうしても放っておけない、価値観の違いが夫婦間で出てきたら、どうすればいいのでしょうか。
まず徹底してほしいのが、子どもの前で口論しないということです。子どもは自分のことで言い争いが起こると、とても不安な気持ちになります。
子どもがいない2人のとき、お茶でも飲みながら、落ち着いた雰囲気の中で話し合うのが大事です。
そして相手が話している時は、共感的に聞いてください。
これにより会話が深まっていき、着地点が見い出せるようになります。
■ 話し合えば相手の価値観の背景が見えてくる
もし、平行線のままであっても、話し合いの中で、なぜ相手がそうした価値観を持っているのか、その背景がわかるようになるため、相手を思いやる気持ちが出てくるものです。そうして少しずつ寄り添っていけばいいのです。
夫婦二人とも、子どもを愛していることは確かなことです。大切なのは、相手を思いやり、よりよい道を探っていくことだと、私は思います。
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