教育の現場から。教科化された道徳の授業は、どう行われているか

 

3.生徒の感想から(一部省略)

最後に授業後の生徒たちの感想を紹介します。

僕は、自分の力と母の力で生まれてきたことと、それぞれが「生きたい」「生きてほしい」という思いで生まれてきたということから、僕は、生きる力のかたまりなんだと感じました。

私は、この話を読んで、先生の話を聞いて、とっても感動したし、少し泣きそうになりました。私は、生まれた直後、呼吸が止まって、心臓も止まって、すごく大変でした。私は、一歩間違えたら死んでいたかもしれません。

 

両親に心配をかけ、絶えそうな私の命を、憧れの医師や看護師に救ってもらいました。私は、小児科看護師になりたいと考えています。私は、全ての命を、自分の命をかけて守りたいです。両親やお医者さんが命(時間)を削って私を助けてくれた恩返しに、私は私の命(時間)を使って、子どもたちを助けたいです。

自分が自分の力で生まれたなんて、考えたことがありませんでした。母親が大変だったのは聞いていましたが、それと同じくらい自分も頑張って人生を始めたと思うと、命の力強さを感じます。そして、生まれることができなかった命もたくさんあることを改めて意識させられ、その命のためにも精一杯生きようと思いました。これからも長い人生が続くと思いますが、くじけることなく過ごしていきたいです。

最近は、親とあまり口をきかないのですが、改めて親に感謝しなければいけないなと思いました。今まで親に迷惑をかけてきたので、あと2年か3年後にはプロ注目選手になって、自分の夢であるプロ野球選手になれるように、日々努力して親孝行できるように頑張りたいと思います。

「生きるということ」の大切さやありがたさをとても感じました。生まれてこられなかった人の分まで頑張ろうと強く思いました。15年間生きていること、3年生としてみんなと学校生活が送れているのは、偶然ではなく、なにかどこかでつながる「運命」のようだと思いました。今日という今を大切にして生きることはあたりまえかもしれないけれど、このあたりまえをずっと大切にしていきたいと思いました。

私は、この世に生まれてこれた命を持つものとして、この命を大切にしていきたいと思いました。最近、いじめによって自殺などが多くなってきているので、この世に生まれた者同士のいじめがなくなれば、生まれてこれた命の代表として恥ずかしくないと思います。私は、自分を励まし、他の人々とつながって生き続けていこうという勇気を大事にしていけたらいいなと思いました。

4.授業の振り返りをまとめて

自分の命の始まりを知るということは、今の自分が生きていることの不思議さを改めて考えこの命を生み出してくれた親に思いを巡らすことにつながります。そして、自分の周りで生きている人々の命の尊さに気づき、さらに、これからの自分の人生をどう生きていくかという生き方を確立していくことにもなります。

学校では、道徳という時間を通して、生徒一人一人が、自分の生き方を少しでも見つめる時間となることを祈念してやみません。忙しい日々の中でも、一人の人間の「生」の根源を常にどこかで意識する思いを失わないようにしたいものです。

教師経験者:ミルキー

image by: Shutterstock.com

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