長年支払ってきた「国民年金」は、一体何年で元が取れるのか?

 

じゃあ、個々人の給料の違いで将来の年金額も支払うべき保険料の額も違ってくる厚生年金ならどうか。

ア.給料20万円で国民年金強制加入期間の20歳から60歳までの480ヶ月働いてきてその間、厚生年金保険料18,300円(会社も同額の保険料を負担してる)支払い続けてきた人で考えてみましょう。

厚生年金保険料(日本年金機構)

※480ヶ月間納める保険料は18,300円×480ヶ月=8,784,000円。

・老齢厚生年金(報酬比例部分)→20万÷1,000×5.481×480ヶ月=526,176円

また、今まで何度も言ってきたように20歳から60歳までの厚生年金加入中は国民年金にも同時に加入してるので、国民年金から老齢基礎年金779,300円(480ヶ月完璧に納めた人の額。平成3年度価額)も65歳から支給される。

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※注意

60歳から65歳までは国民年金に任意で加入して40年(上限480ヶ月)に到達するまで加入できる。なお、厚生年金加入中は国民年金には任意加入できない。

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となると、65歳から老齢厚生年金526,176円+老齢基礎年金779,300円=1,305,476円。今まで納めた保険料8,784,000円÷受け取る年金額1,305,476円=6.72年。6.72年で損益分岐点を迎えて、それ以上長生きすればひたすらトクになる。

イ.じゃあ次に給料50万円で480ヶ月働き続けた人で考えてみましょう。50万円だと月々支払う厚生年金保険料は45,750円。45,750円を20歳から60歳までの480ヶ月支払い続けたら、保険料総額は45,750円×480ヶ月=21,960,000円。

・老齢厚生年金(報酬比例部分)→50万円÷1,000×5.481×480ヶ月=1,315,400円

あと、老齢基礎年金779,300円も支払われるので、65歳からの年金総額は老齢厚生年金1,315,400+老齢基礎年金779,300円=2,094,740円。よって損益分岐点は21,960,000円÷2,094,740円=10.48年。

あれ!?給料が低かった人より給料が高かった人が、元を取るまでの期間が長いですよね。これは…簿記の固定費と変動費の関係の考え方を用いてみましょう。一応個人的な考えではありますが、下記の参考記事のような感じ。

参考記事(手書き図説明)

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