罰則なしの「いじめ防止対策推進法」を隠れ蓑にする卑怯な私学

 

もう一点は、「私学」への対応です。公立の場合は、学校の後ろには市町村の教育委員会がありその後ろには都道府県の教育委員会が控えています。ですから、学校が対応しない場合には、教育委員会に相談することで解決されることがほとんどです。しかし、私立の場合は、学校に「対応しない」という態度を取られた場合、相談する先が殆どありません。教育委員会に相談しても「管轄外」とされてしまいますし、議員さんに間に入ってもらうこともできません。都道府県の私学課が相談にのってくれることもありますが、まれなことです。したがって、今回のように新聞等のマスコミの方の力を借りなければ話が進まない場合が多いのです。

「いじめ防止対策推進法」という法律はあるのですが、法律を遵守しない学校があるのです。つまり、罰則がないことで、いじめに対応しない学校は野放しになってしまっています。子供たちのためにも、これをそのままにしておいてはいけないと思っています。私たちは「いじめ防止対策推進法」に「違反した教師への処罰規定」の制定を求めていますが、組織としての学校に対しても明確な処罰等の規定を盛込むべきだと考えます。

学校は、文科省の「いじめ対策に係る事例集」も公開されたことですから、この沖縄の方の事例に見られる「先のばし戦略など取らないでいただきたいものです。

秋です。読書の秋、文化の秋、スポーツの秋、子供たちにも楽しい季節だと思います。いじめなんかない秋をおくらせてあげたいものです。気になることがありましたら、ご遠慮無くご相談いただければ幸いです。

一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明

image by: Shutterstock.com

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